年式とモデルによる変速比の違いは、当然の事
排気量が600cc〜700ccへと変更された事に大きく影響され、2002モデルよりも2003モデルがハイギヤード設定となっているのは、トルク増大に伴い実用低回転域での高速クルージングを狙ったものと考えられる。
一方、同2003モデルでもホッテストタイプにあたるBRABUSでは1,2速はcoupeと変わらないものの、3速以上はかなりのローギヤード設定となっており、近年稀に見るクロスミッションとして仕上がっている。これは時を同じくして発売された
SMART ROADSTER
と共通の値であり、実際の走行では、時速50Km/hで1速〜5速のどのギアでも走れるというパフォーマンスを見せ、パワーバンドを常に外さないという設計の意図が伝わってくる。 勿論これは標準装備されるパドルシフトあってのスポーツドライビングテイストである。
尚、ギア比からのエンジン回転数計算法は以下の通りである。
選択ギア比 × ファイナルギア比 =
タイヤ1回転に必要なクランク回転数
前途した通りSMARTには通常のマニュアル車と同等のミッションが装備され、使用されるクラッチも乾式シングルと、決して珍しいものではない。初めてSMARTを扱う人に怪訝されがちなシフトタイムラグは軽量フライホイールに変更する事である程度緩和されるとも予測できるが、3気筒という
回転ムラの多いエンジン特性と、小排気量ゆえの細いトルクを考慮すれば、安定と信頼という観点から、いたずらに軽量化を計る事は難しい。
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