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(80) 季節の音    2003/09/05

エアコンの利いた室内にいるととかく季節を感じずに日々を過ごしがちであるが、排ガスに汚染された東京でも時に季節の音を耳にする事がある。今月に入り夜の公園やちょっとした緑の中からはスズムシの泣き声が聞こえるようになり、秋の訪れを感じさせる夏の終わりの乾いた風に、思わずオープンドライブを堪能する。

少しうるさいくらいのムシの泣き声に気づく。
子供の頃から東京には鳥やムシなどの小動物が少ないのだとばかり思っていたのだが、どうやらそうも言い切れないようだ。田舎育ちの私ではあるが実家の長野でさえ東京ほどスズムシの声は聞こえなかった気がする。よくよく考えれば夏のセミも東京のように激しくは鳴いていない。田舎と都会の逆転の法則はいったいどこに隠されているのか?

日進月歩の情報化社会、人が皆狭い東京に集まって来るように、ムシ達はその狭い東京の狭い緑を求め毎日を生きているに違いない。
ムシ達にスクランブル交差点はあるのだろうか?


(79) これってもしかして    2003/09/04

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本日各局のニュースで取り上げられていた水陸両用車。ロンドンでお披露目デモランを行ったらしいのだが、私の目にはNB前期型のロードスターがベースに使われているように見えてならなかった。特にヘッドライトなどはまんまそのもののデザインが残され、リアのグラマラスな曲線美もかなり現行ロードスターのそれに近いものがある。よく見るとドアミラーなどはちょっと違う気もするし、全体的にちょっと大ぶりにも見えるが、いずれにせよオープンカーベースの水陸両用車というのは他に例がないような気がする。
価格は約2700万円と言う事で家と車とどっちにする?というレベルの買い物だ。陸上では時速160Km、水上では48kmで走行し、ボタン一つで水陸の切り替えが可能らしい。勿論、普通自動車と小型船舶の両免許が必要となるのは言うまでもない。そもそも日本で乗れるかどうかは別の話だが...

それにしてもこの車、洗車が楽なのか大変なのかは持った人にしかわからない。


(78) 四季とりどりの    2003/09/03

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東京は日本の流行の発信地とも言うべく、常に時代をリードするニューデザインの商品がおよそ半年先のシーズンに向け発表され展示されている。水道橋のスポーツ用品店にディスプレイされるそれらアイテムを見ていると
季節はいったいいつなのか?とおかしな錯覚に陥る。

我が家の自宅周辺を探索するうち、こんなところにもその兆候が?残暑の厳しい9月ではあるがすでに来シーズン向けのソリが販売されている...しかも店頭の最前列に並べられ「当店一押し!」と言わんばかりのアピールっぷり。カラーも各色そろっているようだ。そうそうやっぱりウインタースポーツは派手じゃないとね!
よく見ればその奥にはパラソルや虫かごも並ぶ。なるほど来年の夏向けのニューアイテムだな?

それにしてもこれらのデザイン、私が子供の頃から変わっていないようだが...そうか来年はアンティークが流行?


(77) 必要に迫られ    2003/09/02

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情報化社会が急速に進み各家庭でもパソコンの普及率が驚くほど増えた。つい10年ほど前まではパソコンなんて買ってどうするの?何に使うの?と、それを職とする専門家と一部マニア?以外持つ事自体不思議がられる高価な箱であった。しかし近年ではテレビやビデオと同じような感覚で購入する人が多く、手元に届く年賀状の仕上がりに10年前では予想もしなかった普及の現実を目の当たりにする。

さて、自由奔放に暮らしている私ではあるが、時には?仕事もする。となれば取引先に提出しなくてはならない報告書なども出てくるわけで、今後の展開なども考慮すればプリンターの一台くらい奢っても罰は当たるまい!と、清水の舞台から飛び降りる思いで購入を決意した。
安い家賃ゆえに狭い部屋には大型のプリンターは邪魔でしょうがない。なるべくコンパクトでそこそこの性能。デザインも多少考えるとこれしかない!近頃までCMでやっていたキャノンのモバイルプリンター。立てて置いてみればプリンターとは思えないスタイリングだ。ふむふむ満足。さ〜てテストプリントといくか。ん!?USBケーブルは?まさか別売り??...もープリンターなんだから接続ケーブル要るに決まってるじゃん!と、一人でぼやきつつ、閉店間際の電気店へ急ぐ。紙もいるか。PHOTOプリント?いやいや安いやつでいいよ。どうせ文字しか印刷しないんだから...

家へ着くなり早々に印刷開始。最近のプリンターはキレイなのね。ウキウキ気分で来年の年賀状のデザインを考える。多分考えるだけで終わる。


(76) 時代 VS 人間    2003/09/01

近年の自動車工学の方向性は昔の機械力学にプラスして電子デバイスの要素が急速に増えてきた。嘗て車に関する電装品と言えばパワーウインドゥや集中ドアロックなど快適装備程度に過ぎなかったが、最近では駆動系やブレーキ系を初めとするマシンコントロールを機械が補う役割として使われ始めている。今やパワステやABSなど付いていない車の方が少ないくらいで、高級車ともなれば前を走る車の車速にあわせ自動的に追いかけてくれる機能や、走行車線から外れそうになれば勝手にハンドルを切り足してくれるものまで登場しており、バックする際は車内のモニターに後方映像が映しだされ縦列駐車用のガイドラインまでも表示。仮に障害物が近づこうものならたちまちセンサーが反応しブザー音とともに位置表示される。これ位で驚いてはいけない。万一の事故を想定して前方に障害物が近づくと勝手にブレーキまで掛けてくれるのだ。

よく考えてほしい。勝手に走る、勝手に曲がる、勝手に止まる。では人間がすることは?

そう、寝るだけである。完璧な人間がいないように完璧な機械がない事を人は忘れていないだろうか?



(75) 食生活研究中    2003/08/31 

一人暮らしというもの、アンバランスな食生活は私に限った事ではないと思うが、男の料理?にどうしても麺類の割合が増えてくるのは否定の出来ない事実だ。まあ所詮電気式渦巻きコンロひとつのキッチンだから出来る事も知れているのだが、そこに腕が伴わないから今後の発展性も見込めない。
麺類の中でもパスタの頻度といったら週に何度お目見えする事か...はっきり言ってゆでるだけ、のイージークッキングがとっても私向きでありレトルトのソースは自作とは比にならない完成形の味を約束してくれる。長期保存の出来る乾燥パスタも最近ではキロ単位で購入するようになったが、どうしても欲しいのに手を出せずにいるのがパスタを入れておく透明の筒状の入れ物。ああいったものは私のような者のためにある気がするのだが、好きなものには金に糸目をつけないという私の性格は逆に必要な物に対し頑丈に財布の口を閉じようとする。一回のガソリン代でいろいろなものが買えると思うが。

ここで経済的なパスタのゆで方をひとつ。

沸騰したお湯に乾燥パスタを放り込み、再度沸騰したらフタを閉める。あとは火を止めてゆで時間分待つだけ。これでちょうどいいアルデンテの完成なのだ。
と、どこぞかのテレビでやっていた。



(74) それは便利だが    2003/08/30

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修理に出していたデジタルミキサーが帰ってきた。LCDの表示不良だったわけで、もうかれこれ半年以上前から点いたり消えたりしており、それとなくごまかしながら使用し続けてきたのだが、さすがにここ2、3日完全にお亡くなりになってしまったのでやむを得ず行動に出た。昔のアナログ製品と違い最近主流のデジタル機器はディスプレイが表示されなければ何も出来なくなってしまい、安易に蓋を開けてみようなどという素人考えで中を覗いても、もはやブラックボックス以外の何者でもない。しかしそれとは裏腹に修理依頼の翌日には完了の連絡が入ったのには恐れ入った
。どのメーカーもこれくらいのレスポンスで対応してくれれば多少の故障も苦にならない?

ディスプレイと言えばこのホームページを自分のパソコン以外で見る機会があった。そこで驚いたのは掲載している写真の数々が全て暗く見える事で、ノートパソコンの液晶ディスプレイで決定したコントラストは世間のディスプレイではかなり暗く映っているようだ。愕然としながら家へ帰り、えらいこっちゃーと思いつつ全てのページに眼を通す...今後少しずつ修正するか!と、今日はひとまず床に就く。

眠れない夜は続く。本当の意味で愕然としているのは小さいながらも応募した写真コンテストの作品にはもう修正が効かない事だ。



(73) Imagination    2003/08/29

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学生の頃友人といっしょに羽田空港周辺の公園へよく写真を撮りに行ったものだ。たまたま今日その近所に行く用事があり当時の記憶を元にその公園を探したが結局たどり着く事は出来なかった。それでも似たような場所はあるもので、ひっきりなしに離着陸する飛行機を懐かしく眺めていた。

当時はクジラの絵が描かれたジャンボジェット機が話題を呼び、その後もミッキーマウスなどのキャラクターや、大物歌手をペイントした機体が次々登場した。それがバブルに関係あったのかどうかは分からないが最近はあまり聞かないような気がする。

あの巨体が大空へ飛び立っていく姿を見ていると 「あれに乗ればどこか知らない特別な場所へ行ける」 そんな幻想が自然と沸いてきてすごく心が大きく穏やかになる。そして空港ターミナルが電車の駅とは明らかに違う非日常的な存在に映り、どうしても敷居を高くする。

未だにパスポートを持たない私にその特別な場所は姿を現すのだろうか?

それにしても、もう少しマシな写真は撮れないものかと、あれだけのビッグな存在を前にして、みみっちい感想しか出てこない。


(72) 230円の悲劇    2003/08/28

田舎では無人駅が増える一方、景気がいいのは都会の電車。朝夕のラッシュアワーに押されガラスにへばりつく様はどうにも見苦しくてならない。私が東京に出てきた頃、満員電車というものを知ってはいたものの学生寮が線路に面していた事もあり毎日行きかう電車を見ながらいろいろな想像をした。電車で想像と言うとちょっと怪しげだが...その想像とはもしもこの世に何でも透けて見えてしまうメガネがあったとしたら。う〜む、ますます怪しげだ。いやいやそうではない。そのメガネをかけて通勤電車の通過を見たら...電車が見えなくなった満員電車を想像してほしい。本を立ち読みしている人、つり革につかまって眠っている人、辛い体制のまま次の駅まで我慢している人、やけに周りをきょろきょろ意識する人、本当に怪しい人、そんな人達の集合体がぎゅうぎゅう詰めになって超高速で1方向に突進して行くのだ。そんな人間缶詰?があっちからこっちからビュンビュン行き来しているのだから都会とはおかしな所だ。

しかし、答えはNO!
何でも透けて見えてしまうメガネでは人間も見えなくなってしまうのだ。

つまらん事言ってないで書きたかった事はそんな事ではない。続きは今日感じ取ったのだ。問題はその缶詰が開放された後である。それまで大人しく閉じこもっていた中身はエアスプレーの如く勢いを増しホームへと溢れ出す。それぞれが思い思いの方向へ嘘のように散っていく。そして次なる吹き溜まり的関門、自動改札。人間をさばけなくなった人間が考え出したロボット式ゲートに通過するための許可をもらう。ピンポーン!ん?否応なしに係員の元へ向かう。行き先までの金額を確かに払い買ったはずの切符がどういうわけかそこを通り抜けられない。言い訳の聞かない機械のためになぜか2重取りの悲劇にあう人間はいったい賢いのであろうか?

出発駅の改札で他人の切符と入れ替わってしまった事は容易に想像が付く。



(71) 大接近は今日だが    2003/08/27

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ニュースや新聞でも話題になっている約6万年に一度の火星大接近である。その昔76年に一度接近するハレー彗星に心踊らされ天体や写真に興味を持ち始めたのが小学校5年生の時。当時家には8倍ほどの双眼鏡一つしかなく、ハレー彗星を見るにはどうしても天体望遠鏡が必要だった。その頃毎日担任の先生に提出していた日記にくどいくらい 「望遠鏡がほしい」 と書き続けたところ大接近の直前、先生は私に新品の望遠鏡を譲ってくれたのだ。しかも小学生の私には少しばかり大きかったためかわざわざ自宅まで送り届けてくれた。
今思えば、はたしてその望遠鏡でハレー彗星が見れたかどうかは定かではないが、私用で購入した物を一度も使わず教え子に引き渡す心境はいったいどんなものだったのだろう。よほど私の星に関する姿勢がまっすぐで熱心だったに違いない???

さてそれからもう十数年が経過し、しし座流星群に代表される星にまつわるエピソードはいくつか話題を呼んだが、さすがに今回の火星大接近はビッグニュースである。何しろ6万年に一度であるから次に接近する頃は人類も絶滅しているかもしれない。そんなふうに考えると見逃すわけにはいくまい!あわてて外へ駆け出してみるとどんよりとした曇り空。ん?東京の空はいつもこうか?いずれにせよ一つの星も拝めないままインターネットで今の状況を調べてみる。どうやら日本では北海道と沖縄でしか見られなかったらしい。大接近の日は今日だったのに。

今では埃をかぶり物置の奥に眠ってしまった当時の望遠鏡をこんな時こそ活用せねば。曇り空を一人で眺める自分に十数年前の記憶が鮮明によみがえる。
本当にうれしかったことや悲しかったことは簡単には忘れないものだ。


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