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(310) 考えるまでもなく    2004/04/22

インターネットが普及して、数々の情報交換がなされるようになり徐に浮上してきた ”自己責任” という言い回し。近頃では遠い国での拉致問題からワイドショーでも取り立てて話題としているようだが、私としてはその響き自体があまり好きではない。勿論 ”自己責任” という言葉の意味やその重要性は重々承知の上での話だが、何かにつけて ”自己責任でお願いします” という言い方をする事は、予期せぬ問題の発生に備え、意見を述べた者が己への責任逃れをしているようにも取れ、自らが発した言葉に対する責任は負いかねます!というニュアンスとも解釈できる点は、言っていることと行動に矛盾が感じられたりする。

そもそも相手が子供でもない限り、そんな前置をつけること自体が不自然で、意見する側もされる側も、自らに責任を持つのは当然の義務である。あえてそれをピックアップする今の社会は、どれ程貧しい時代なのか。


(309) 私もそうありたい    2004/04/21

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久しぶりに訪れた井の頭公園は、お花見シーズンのドンちゃん騒ぎだった面影などカケラもなく、湖畔を周回するには自転車では少し早過ぎるくらい穏やかな日差し。
以前は目にした事の無い新しめのベンチには、その一つ一つにそこを訪れた人のものと思われるエピソードがプレートとしてはめ込まれ、数十を数えるそれらベンチには全て違った内容が記されており、それを読んで歩くことでまた、私自身もそこを訪れた事に対して意味を見出せた気がした。

少し低めの気温と直射日光が程好くバランスした時間。

仕事を考えるより明らかにゆっくりとした時の進み方は、その場で急展開を迎えた。気づけばジーパンの後ろポケットに張りが無い。それはいつも決まって財布を入れる右ポケット。運転免許証から各銀行のキャッシュカード、クレジットカードに至るまで、言わば私の全財産!を詰め込んだ財布が無い...いやいや待て待て、冷静に自分の行動を振り返ってみる。もしや自宅に忘れてきたのでは? う〜む、しかし自宅を出た後に立ち寄った自転車屋で、1回50円の空気入れを気のいいおじさんが無料で使わせてくれたのを覚えている。そのときは確かに財布から50円玉を取り出そうとしていた...ということはやはりそれ以後の行動で落としていることになる。

穏やかな日差しで散歩ペースなどとんでもない、汗だく全速力で帰宅した後、思いつく限りのカード紛失届けを済ませ、諦めと引き換えに手に入れた落ち着きはようやく交番へと出向く行為を思い出させた。しかしもはや何処で落としたかさえ知れない届出は最寄の交番すら思い浮かばず、おのずと近所の駅前にある半無人交番?へ。

差し出されたのは先程までと変わらないお気に入りの財布。涙が出そうだった。



(308) 炊飯ジャーの底に    2004/04/20

運良く日本人として生まれた私は、例外なく ”ご飯党” であり、パン食がメインという事は少ない。

ご飯とパンのどちらが好きかと問われれば、その時の気分と何より空腹の度合いに大きく左右され簡単な結論は出せないものだが、食べた時のしっくり感という意味では断然 ”ご飯” という答えになる。ただし、炊き立てのご飯の香りと、焼きたてのパンの香りとを比べると、それはさすがに甲乙付けがたく、どちらも ”甘い香り” という同じ表現ながら全く種類の異なる魅力に、学校給食の時間は随分楽しめたものだ。

自炊をするようになって私は思う。ご飯には最後の一粒までを大切に思える優しさが含まれている。



(307) 幸せな日々    2004/04/19

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不平不満の毎日は本当は幸せな毎日だ。
仮に人生にどん底があるとして、
そこから見た世界はとても明るいはずだろう。

だから不平不満の毎日は本当は幸せな毎日だ。

東京は赤坂にて。


(306) 行ってみたかっただけ    2004/04/18

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既に夏日を記録した昨日の暑さに比べれば幾分過し易い1日となった。

東京湾アクアラインの木更津方面入り口へは毎度の事ながら下道大作戦。実は東京に住んでいながらアクアラインを見るのはこれが始めて。なんとも恥かしい現実であるが、一度の通過に数千円もの通行料を取られると聞けば、”たかが橋とトンネル” といった思いはガソリン1タンクで400〜500Kmのドライブへと転換すると言うものだ。まして千葉に用事があるわけでもない私にとっては、木更津へのドライブなら迂回ルートの幕張経由でプラス70Kmが好都合でもある。

ナビが装備されない私の SMART で、知らない街へ繰出すには多少の苦労はあるものの、ボロボロになった地図を現地で何度も見返す様は、一昔前の映画の1シーンのようでそれもまた良し。なんとかたどり着いた海岸沿いの道路には都心のそれと変わらない縦列駐車の帯が連なり、堤防の向こうには自分の世界で黙々と作業する潮干狩り客がわんさかいる。

うーむ もうそんな時期か。さすがにひとりぼっちの潮干狩りは貝以上に寂しさのほうが沢山集まりそうで、やめておいたほうが懸命だ...

千葉の海を後に、結局帰りも下道となった今日の行動は、目的地は他でもよかったと言う事か。


(305) 4分53秒    2004/04/17

CDでは聴き慣れているはずの曲が偶然にもラジオの電波に載ったりすると、いつもと同じようでいて随分違う曲に聴こえるものだ。それが自分の青春時代に耳にした曲だったりすれば尚更だろう。

夕暮れ時の駅前の踏み切りは、その短くも貴重な時間をわざと知らしめるようにじれったく、辺りの景色に目をやれば、古びた食堂の入り口でメニューを楽しむようにしてじっと眺める少年の姿があり、おかげで目の前を何本もの電車がすれ違う光景も何となく穏やかに見える。いつの間にか自然と口ずさんでいたメロディーに周囲の目を気にしてバックミラーを覗けば、どうやら後続車も同じ局の放送を聞き、同じように口ずさんでいるようだ。違う人生間でのわずかな共通点に妙な親近感を覚えながら再び前方に目を移せば、曲の終わりとシンクロするように踏み切りが開いた。



(304) 思い出だからこそ    2004/04/16

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朝夕はそれなりに交通量の多い幹線道路をボーっと眺めながら、限られた時間内で数多く通り過ぎる沢山の車に自らのNo.1を決めようと考えた。

トラックやダンプがせわしなく行き来する流れの中に SMART の存在はたったの1台。少し寂しい気もするが、オーナーとしては玉数の少なさが他ならぬ魅力だったりするものだ。
平日とあって遊び目的の専用車は少ない中、目の前を横切った思い出の mini 。しかも98年に限定600台で発売された ”cooper sports-pack limited”。ちょうど私が mini を購入する際、ショールームに展示され、操作に関する一通りの説明を受けた車である。特筆すべきは何と言っても13インチホイールと専用のオーバーフェンダー。標準の12インチからの1インチアップに留まるとはいえ実物の迫力はかなりワイルド。MGFと同色の専用カラーである ボルケイノオレンジ は、当時としては実に派手に思えたが今頃になってそれが魅力へと変わった。
あと30万円の上乗せが出来ずやむなく通常モデルの ”cooper” を購入した私であるが、それさえも一瞬で廃車となった過去を思えば、結果として限りある1台を世に残せたのかもしれない。

脳裏に焼きついたこの車。No.1に輝いたのは言うまでも無い。


(303) 造りすぎに注意    2004/04/15

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人工的な建造物の代表は何もピラミッドだけではない。

都会に見る高速道路の出で立ちは十分現代の人口建造物として未来に通用する、半ば芸術作品にも近い壮大なモニュメントを我々の頭上天高くに堂々と横たえている。川原に寝転がり建設中のそれらを眺めれば、野性の感覚と進化した人間との間に少しばかりギャップがあることに気づく。
道と言うのは元々、人や動物が通った痕跡が次第に拡大し結果として出来た通路だったはずが、いつからか ”出来るもの” から ”造るもの” へと順序を変えている。振り返ったら道が出来ていた。それが本当は自然なのだと思う。

車の道に限らない人生の道とて、あらかじめ準備するのは大変な事であり、造り過ぎには注意が必要なのだ。田舎育ちの私には少しづつ消えゆく大自然の中にいて、その画が少し痛々しくも見えた。


(302) やっぱりセットでしょ    2004/04/14

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ちょっとしたドライブのつもりが、現地にてついつい遠出へと変更されてしまう私の気ままなお出かけプランに、旅の疲れを癒す意味で温泉がエントリーされるのはもう自然な流れとなっている。

名の知れた有名温泉街ならともかく、場所によっては銭湯と変わり無い様な湯沸し風呂に入ることもしばしばで、そんな時多く見る定番のケロリン湯桶。どういうわけか日本国民なら知らない人はいないくらい有名ですな。そして私は連鎖的にマブチの ”水中モーター” を思い出す。幼い頃家族でよく行った温泉で人の迷惑顧みず、ケロリン湯桶の底に水中モーターをぺタッと貼り付け、湯船に浮かべては遊んだものだ。背中に大きな柄のあるコワ〜イおじさん目掛けて進んで行ったかは覚えていないが、今思えば父親は随分心配しただろう。

果たして現在でもこの水中モーターは販売されているのだろうか?大人ながらにもう一度 ”ケロリン” 浮かべてみたいなぁ。


(301) これはチャンス    2004/04/13

少し前から SMART オフィシャルサイトで紹介されている”北海道の旅” が気になっている。

4日間で27,800円、5日間なら35,800円。これを聞くと東京からでも北海道が随分と身近に感じるのだ。2人で車1台、フェリー代金にホテル代朝食代が入ってこのお値段は通常では考えられないぞ。勿論日程は期間中(5/5〜7/5)から選べるし、ホテルも選べる。至れり尽くせりではないか。もともと SMART は全長が短い事からフェリー代金というのが一般車に比べ比較的安いというメリットがあり、今回のプランもそれを生かしたダイムラークライスラーとフェリー会社との共同モニターツアーなのだが、よく考えれば旅行費用というのは目先の金額だけでなく実際の消費額を想像すると意外と高くつくもので、なかなか行動に移れないのが現状なのだ。なんだかんだ言ってお土産が馬鹿にならない!

きもちいいだろうなー。北海道を SMART で走ったら...日本で一番行ってみたい土地なのだ。


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