東京のマンションで使用してきた掃除機 ”Dyson V8 Slim Fluffy” が壊れてしまって動かないので修理することにしました。修理といってもカスタマーセンターに送るわけではなく自分で部品を調達して分解修理を試みたというお話。こんなことをすると当然保証の対象外となりますし、下手をすれば再起不能になるのは分かっていますが、誰かが組み立てたものなら自分にも出来るだろうくらいの気持ちで。
ちなみに壊れたのは電気系統ではなく、ON/OFFのトリガースイッチの物理的な破損。だからアフターパーツを取り寄せて交換すれば良いだけの話ですが、これがなかなかどうして、この掃除機の故障修理の中でも最高難度の修理でして。
時間がかかる事は分かっていたので忙しい平日には手をつけられず、だからと言って週末は山梨に移動してしまいますし、仕方がないので東京のマンションの壊れた掃除機を山梨まで持っていって、夜なべ作業。
いきなり分解開始の図になっておりますが、今回壊れたのは手で持っているグリップ部分に見える赤色のトリガースイッチ。これが内部で折れてしまっておりまして、トリガーを引いても通電されず掃除機はうんともすんとも言いません。
実際は折れたスイッチは押し込まれたままになるので指を離しても戻ってこないという動作になります。
ちなみに上の写真の状態まではバラすのも簡単。もともとの設計がここまではお手入れ用途としてバラせるようデザインされています。
問題はここからです。手に持っているのは百均で購入したプラスチックカードケースを小さく切ったもの。これを掃除機分解用の治具として利用しようという考え。
実はこのDyson V8 Slim Fluffyは我が家と同様の故障を経験する人が少なくないらしく、YouTubeにも分解解説動画が公開されており、それによればギターピックを4枚使用して掃除機の蓋を固定しているツメを外すアイデアが共有されているのですが、私もギターピックなら東京のマンションに沢山所有していたものの山梨まで持っていくのを忘れてしまい、ひとまず百均で入手可能な代用品をこうして準備したというわけ。
写真が少々見づらいですが、上で紹介した百均のプラスチックプレートを掃除機のエアー吹き出し口の蓋を取り囲むよう少しずつ奥の方まで差し込んでいきます。合計4箇所ありますから順番に渾身の力を込めてぎゅっと!
うまくいけばこれで4箇所の爪が外れて蓋がポコっと取れるはずですが私の場合はビクともせず...。
試しにプラスチックプレートを抜いてみるとご覧の通り角がぐにゃぐにゃに変形してしまっておりました。ギターピックに比べてちょっと強度が足りなかったようです。4枚ともこの有様ですからこの方法は断念。
上の写真はすでに掃除機の裏蓋が外せておりますが、外し方はこのプラスチックのプレートを使った結果ではなく以下の方法。
一旦バラしてあった掃除機後部のエアフィルタを再度装着し、このエアフィルターの塊ごと力任せに後ろに引っ張りました。とはいえこの方法ですとエアフィルターもしくは外そうとしている裏蓋の爪が壊れてしまう可能性が高いためお勧めはしません。
私は最善の注意を払い、フィルターの塊を少し斜めにしたり力をかける方向を四方八方へ変えながらグリグリ引っ張ったところどこも破損させる事なく上手く外すことができました。
ようやく中身が露出した掃除機の後部。内蓋も外して電子基盤が見えたところ。この基盤の奥にモーターが入っており、今回の修理ではそのモーターまでも全部取り外さないと作業ができません。
いかんせん上の写真に見えている赤と黒の太いケーブル2本をグリップハンドルの下方向へ引き抜かなければいけませんからモーターを外す作業は必須なのです。
基盤に取り付けられていた太い2本のケーブルはネジで、細いケーブル1本はコネクター箇所で、合計3本のケーブルを取り外し、基盤を割らないようマイナスドライバーで少しずつモーターブロックを浮かせるように後方へ引き抜きました。
モーターはネジなどでは本体に固定されておらず、おそらく振動や音を遮断するためゴム製のブロックでアイソレートされており、この掃除機本体へぎゅっと押し込まれている形でした。
全てのケーブルが取り外せていれば比較的作業は楽になると思いますが、上の3本のケーブルの他に取り外せないケーブルが2本あり、とにかくケーブルが短いので窮屈な作業が続き効率が悪いです。
電子基盤にネジで固定されていた太いケーブルごとスイッチブロックをグリップ内部から引き抜いた図。
ようやく今回交換すべきトリガーのパーツが出てきました。スプリングなども付いているためぴょ〜んと飛ばして無くさないよう慎重に扱います。
これが破損箇所のアップ。赤いトリガーパーツが途中で折れているのが分かります。
Dyson V8 Slim Fluffyはメインの電源スイッチが実はバッテリー側についておりまして、このトリガーによってバッテリー側のスイッチを物理的に押し込んで動作させる仕組みです。黒い支持点を中心にテコの原理で赤いアームの先がバッテリー側のスイッチを押す...そんなイメージ。
これ設計が悪すぎませんかね? 使用するたびに力のかかるこのパーツがやたらと弱そうな形状と素材で出来ている! そりゃ折れますわ。
Dysonのように流通量の多い家電製品の良いところは、純正パーツが入手困難でも非純正パーツのグレーマーケットが存在し、ネット通販にて容易に入手できる点。
今回も純正ではないものの互換部品をAmazonにて購入しました。ただ、こんなプラスチックパーツが2,500円ほどしましたが、正規ルートで修理依頼をしたり新しい掃除機を購入することを思えばかなり安上がり。
今回のパーツも見るからに弱そうで、いずれまた故障の原因となりそうですが、このパーツ周辺の取り付けスペースの関係で、ここを補強するような改造は難しく今回は泣く泣くこのまま組み上げることにしました。
本当は表裏から補強プレートでサンドイッチするような対策を施したかったんですけどね。ちょっと無理そうでした。
さて、あとはバラした時の逆の手順で組み上げれば完成。その後の動作は当然ながら問題なく故障前までタイムスリップしたかのよう。今回の所要時間は1時間強といったところでした。ネットには3時間ほど要すという情報もありましたがそこまではかかりませんね。全ては掃除機後方の裏蓋が外せるかどうかにかかっていると思います。必要な工具は、ラジオペンチ、マイナスドライバー、トルクスの8番、ギターピック。
上の写真の奥に見えるのは山梨の家で愛用しているDyson Micro(SV33FF)。そちらは構造の違いから電源スイッチをテコの原理で動かすような設計にはなっていませんから今回のような故障はないはずですがいかに。












