折りたたみ自転車を ”大切に扱う人”
ならすぐに分かると思うのだが、これはシートピラーエンドキャップ。
自転車を折りたたんで無造作にアスファルトの上に置くと、下げ切ったシートピラーが一番最初に地面に当たることとなり、ピラーエンドがキズだらけになってしまう。また、その行為を家の中でやろうものなら自転車の代わりにフローリングの床がダメージを受ける。
そこで登場するのがシートピラーエンドキャップということになるのだが、BD-1やブロンプトンといった中型の自転車には専用パーツが用意されるものの、小型なトレンクルはシートポストの直径が細く、汎用品のどれもが装着不可。どう考えても自作するほかに術は無い。
大型ホームセンターまでの往復15kmは運動も兼ねて勿論ポタリング。水道回りや日用品が並ぶ棚から見繕ったのは、家具の足に取り付ける
”プラスチックの円盤” と
”ゴム足”。だが自転車のシートポストにゴム足を取り付けるには、ゴム足のサイズをアルミパイプの内径と外形の両方に正確に合わせないと不可能である。そして走行中の振動や衝撃で外れないよう確実に固定しなければならない。
同じゴム足を2つ用意し、それらでサンドイッチするようプラスチックの円盤を配置。円盤はシートポストのアルミパイプの内径にピッタリ合うよう加工を施し、センターにドリルで穴を開け3つのパーツをネジで軽く固定。シートポストの内径より幾分大きなゴム足にオイルスプレーを吹きつけ強引に押し込む。プラスチックの円盤がピタリはまれば必然的にセンター位置が決定される。最後にネジを締めこめば、シートポストの中に押し込んだゴム足が潰れて広がろうとするからカッチリ固定される仕組み。
店内で考えたこの理屈で実際に加工してみたら、想像以上にばっちり決まり
”完璧なまでの仕上がり”。トレンクルオーナーにぜひ教えてあげたい。 |