基本的に毎週の洗車を心がけている
SMART。私の元を離れる日が近いとしても次に乗ってくれる人に可愛がってもらえるよう今週も変わらず丁寧に磨く。
洗車機から出てきた時点で何やら強い視線を感じたのは確かだが、拭き取りを始めると遠慮無しに携帯電話のカメラでパシャパシャと撮影を始めた黒人さん。SMART
を見たのが初めてだったのか、とにかく隅々までを観察。おまけに英語の分からない私に何やら次々と話しかけてくる。「えんじん?えんじん・・・?」
始めはエンジンについて何が聞きたいのか分からなかったが、多分エンジンは何処にあるのか知りたいのだろうと思い、「りあえんじん、りあどらいぶ」
と指差しながら説明したら笑顔を返してくれた。
更に、ドアを開けて車内を見せてあげたところ、半ば強引に運転席に座り満足気にハンドルを回していた。パドルシフトを
「しふとあっぷ!しふとだうん!」 と操作を交えながら説明すると、納得した様子で
「すばらしい車だ!」みたいなニュアンスのことを英語で言っていた。そして最後はお互いのカメラで記念撮影。きっと彼の体形でも狭い車内とは感じなかっただろう。
その足で神奈川にあるSMART専門ショップへ車売却の相談に行く。SMART
と MINI
どちらも小さな車だがいっちょまえに普通車だからして、東京でそれらの車を2台所有するほど私は裕福ではないし、どうしても次が決まれば今のものは手放さなければならない。ショップの方々は皆気さくな良い人達で私の要望を前向きに検討してくれる。しかしなぜか
SMART 売却の話は二の次となり MINI
の話題へ方向転換。車が好きな人は多分皆価値観が似ていて話はどんどん膨らんでしまう。
夕暮れ迫る自宅への帰り道。1台の FIAT500
を追い抜いた。すれ違いざまに助手席に猫を乗せた30歳くらいの美しい女性が運転しているのが見えた。しばらく眺めていたくなるその光景をバックミラーに収めつつ、相手のペースに合わせるよう少しだけ速度を落として進めば、果敢にも追い越し車線から
SMART
を抜きに掛かる。さすがに18PSのゆるーい加速は私の前に出るのに相当な距離を必要としているのが分かり、私も気を使って軽くブレーキを踏んであげた。その後もギクシャクしながら元気良く都心の雑踏に消えていった。
今日一日は車好きな人達と思いがけない出会いがあった。趣味を持つ人はどこか生き生きしていて気持ちが良い。 |