昨日まで福岡にいたと思ったら今日は札幌。昨夜移動した飛行機の便の関係で名古屋セントレア空港で一泊。暗くなってホテルで眠り、明るくなる前に札幌へ出発だから、記憶として福岡
”一風道” のラーメンの味は遥か昔の事のように感じる。
札幌は数年前から数え切れないくらい訪れているから、今更新鮮な眺めを求めること自体無理があるが、この時期の一大イベント
”札幌雪祭り”
は嘗て見たことが無かった。しかし、本番が開催される2月5日〜に向け今はまだまだ準備段階。私が今日見れたのは寒空の下、コツコツと作品作りに没頭する人々の姿。
勿論夜だからといって綺麗なライティングがされるのも本番でのお話。いやいやそれでも大きなお城やアニメキャラの像があちこちに出来上がってきている様を見るだけでも、テレビのブラウン管で見るのとは違った情熱が伝わってきます。
男一人でテレビ塔
展望台に登るのもどうかと考えたが、せっかくだから俯瞰で見たいと
思い切ってチケットを購入。最上階まで上る直通エレベーターでエレベーターガールのお姉さんは
たった一人の私を前に決められた説明を開始。2人きりで上る1分間がどうも落ち着かなかった事だけが印象的。
上空から見てもやはり大通公園はライティングに乏しい。でも同じ気持ちでそこを眺める人々は、雪で覆われ
それだけでも明るく照らされた遠くの景色をいつまでも見ていた。
長野の寒さに慣れた私でも、子一時間も雪の中を歩けばさすがに顔もこわばってくる。そこへ観光で訪れていた4,5人の若者達に写真撮影を頼まれる。この土地を訪れてこれが何度目の撮影依頼だろう。頼まれたからには納得のいく写真が撮れるまで背景を変えたり人通りを待ったりして何枚でも撮ってあげた。するとそれを見ていた外国人の人が順番を待つように私に話しかけてきた。
ほとんど英語のしゃべれない私だが、何かコミュニケーションが取りたくてわざわざ待っていてくれたのだと思い、こちらも必死に相手の話を理解しようと努力してみた。彼はインドから
”Snow festival” を見に来たのだという。私は東京から来て、”Snow festival”
の本番は来週で、夜には綺麗にライトアップされ、札幌時計台の方角は ”あちら” だと教えてあげた。
5分程度の会話だが、その時間だけは寒さが気にならなかった。やがて横断歩道の信号が点滅し私と彼はまた他人になった。次の点滅で私は
”なぜ一緒に時計台を見に行ってあげなかったのか”
と彼の背中を追いかけたがもうその姿は何処にも見つけることが出来なかった。
その時計台も、並ぶ笑顔にシャッターを押した数と同じくらい、私がこれまで旅人に案内した場所だ。
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