オーバーホールが完了し組み上げられたミッション。上から見るとミッションケースの右側にはまだスペース的に ”ゆとり”
があります。 このスペースを利用して追加のギアを入れれば、ノーマル4速ミッションから5速ミッションへと変身します。
ただ、単純に1枚ギアを入れるだけ...みたいな簡単な事ではなく、1速から5速までクロスにしたり、ファイナルギア(デフと一緒に回るギア)の設定変更など、 結局はミッションアッセンブリ交換みたいな事になるので、中古の軽自動車が買えるくらいの費用がかかります。
ギア比を計算して試行錯誤することで自分の車を仕上げていくのはきっと楽しいと思い色々検討しましたが、今回はノーマルのままとします。
プライマリーギアのオイルシールも新品に交換してくれているようです。クラッチハウジング内へのオイル漏れはこれで心配ないですね。
ファンベルトを見てびっくり。 随分くたびれています。97年以降の
MINI
はこのベルト一本で、ウォーターポンプやオルタネーター、エアコンコンプレッサーを回しているはずなので、 万一切れたりしたらクーラントが循環しないのでオーバーヒートになります。車は人間が押す事になります...。
上の写真はそんな状況だから車を押しているわけではありません!エンジンとミッションが組みあがった時点でいよいよエンジンの積み込みです。 車はまた、”バンソウコウ”
だらけの姿になって。傷防止対策です。
エンジンを降ろすときにも驚いたのですが、これだけの大掛かりの作業を1人でこなしているのかなぁ...と。 たぶん私が写真撮影をお願いしている関係で、2人で作業しているところ、写っているのは1人なんだと思いますが。(お手数おかけしております)
ミッションケースを下から見た写真ではちょうどデフとドライブシャフトが連結されるところですね。 どんな車も共通ですが、デフとドライブシャフトの連結部分は細かなギザギザがあるだけです。 何百馬力(MINIは何十馬力)もあるエンジンからの動力が、そんな小さなギザギザだけでよく受け止められるなぁと感心します。 ただ、その結合部分のギザギザ同士に遊びがあると、大排気量の車などではナメてしまうこともあるようですが。
取り外すときには真っ黒で少し油汚れのあったレリーズシリンダーも新品のようにピカピカになっています。
左の写真はエンジンが搭載されているフロントではなくリアのサスペンション周りです。フロント同様にサブフレームと呼ばれる黒いフレームで構成されています。 こうして見ると
MINI のサスペンションが独特な構造なのが分かりますね。どこにもスプリングらしきものは見当たらず...。
走行中のタイヤの上下運動を水平方向への動きに変えて、サブフレーム内に収まるラバーコーン(ゴムのお饅頭)で吸収します。 このラバーコーンのへたり具合で車高と乗り心地が随分変わりますが、コイルスプリングとは比にならないくらい低ロールで、車を操る楽しさは抜群です。
ついにエンジンの積み込みが完了し元の姿に戻りました。ボンネットも取り付けられ、あとはイグニッションキーをひねるだけ。 素人の作業だとここでエンジンがかからない...というのが恒例ですが、プロの仕事にそれは無いでしょうね。
あとは6月に切れてしまった車検を取って、ボディのグラスコートを施し、”輝きを増して”
納車の予定です。 |