以前より映像制作業界でのセミナーやワークショップを開催させていただくことは多かったのですが、昨年末からより専門性を高めた内容でお話をさせて頂く機会が増えました。
こういう時代ですから、WEBやYouTube動画を見ればそれらしき情報というのは多く転がっているのですが、それらの中には間違った情報がさも正論のように語られていたり、プロ用機材が個人でも入手できる価格帯となったことで、正しい使い方や仕組みを理解しないまま「繋いだら使えた」という結果論で再生回数を稼ぐためにアピールされているコンテンツも少なくありません。
現代の映像業界は、映画、放送、配信といったキッチリ規格化された信号処理を行う業種と、YouTubeに代表される個人レベルでも簡単に発信できるプラットフォームが共存していて、使用する機材、規模、予算はさておき、内容的な面白さという点において自称プロよりハイアマチュアの作品が注目される場合もあるので一概にどちらが良いとか悪いとかを語ることは出来ません。問題なのは注目されたコンテンツの正当性にあり、仮に的外れな事を語っていても注目度の高さゆえ今度はそれを間に受けた視聴者が拡散してしまい間違った情報が世に蔓延ってしまう事のほうです。
まあ趣味で楽しんでいるうちは間違いに気付くのが遅れても自身の中でいずれ解決できれば良いのですが、制作工程に関わるクリエイターやこれからプロの業界に踏み入れようとしている人に対し、教える立場となると話は変わってきます。「やってみたら出来たのでこれでいきましょう」とは言えません。
撮影からフィニッシングに至るワークフローに関するテクニカルな話はもちろん、対数的な人間の視覚特性に合わせたデータサンプリングの話や、表示モニターの正しいカラーキャリブレーション、クラウドワークフローまでを視野に入れたベリファイ方式など、映像コンテンツを表面的に撫でているだけでは見えてこない基礎知識が求められます。
世界的には次々と新しい規格や技術が生まれてきますし、こと日本という国は遠い国の流行をいち早く取り入れたいと背伸びをする傾向にもあります。教えるこちらも日々勉強が欠かせません...。

