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1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

農薬についての備忘録

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All Photo by inos

家庭菜園をしていると直面する病害虫。天候や環境に大きく左右される要素で、路地栽培の場合にはその影響はかなりのもの。そこで活用するのが農薬となりますが、プランター栽培程度の規模であれば園芸店で ”野菜に使える殺虫・殺菌剤” みたいなラベルのものを購入して吹きかるだけでも効果は期待できますが、育てている作物の種類と量が増えてくるとそれだけではカバーしきれなくなります。

そこで農家さんが使う本格的な農薬のお世話になるわけですが、プロ用ですから種類がたくさんあってどれを使えば良いのか迷ってしまいます。そして食用の野菜を育てる以上はいずれそれが自分の体内に入るわけですから慎重に検討したく、私なりに勉強してみました。

東京の農園で先生が使っていた薬剤を参考にしつつ、今年我が家の畑で取り入れようと準備したのが上の写真に写っている9種類。え、9種類もの薬を使うの? と知らない人は驚くのではないかと。それには色々理由がありますので簡単に説明を。

農薬と一口に言っても畑などで使用する薬剤は大きく分けて2つ。害虫から作物を守るための殺虫剤と、病気(菌)から守るための殺菌剤。まあ除草剤も農薬と考えれば3種類。

であれば最大3種類の薬を準備しておけば対応できるのでは?と考えますが、実際は虫と言っても様々な虫がいますし、菌も同様に。農薬が敵を殺す薬と考えれば敵の種類に応じた薬を準備する必要があります。

とまあこれだけであれば話は簡単なのですが、難しいのはここからです。

例えば昨年くらいから大発生が騒がれているカメムシが畑にいたとしてそれを農薬によって駆除しようとした場合、カメムシに効果のある農薬を適量散布すれば効果が期待できます。薬の効果に時間差があったとしても数日もすれば綺麗さっぱりカメムシは見かけなくなると思います。やれやれ!と安心していたらまたカメムシを見かける時がくるかもしれません。薬剤だって無限に効き続けるわけではなく雨に流されるでしょうし作物だって成長しますから薬剤のかかっていない葉や茎も伸びてきます。

じゃあ「この前の薬の効果は抜群だったから!」とまた同じ薬を撒いたとします。それでも一定の効果は得られるかもしれませんが、そこで生き延びるカメムシが出てくると言われています。いわゆる抵抗性を持った虫に進化して同じ薬剤が効かなくなるという事です。コロナ禍で我々人間が生き延びたように虫たちも強くなるのですね。

そこで農薬の運用は異なる種類のローテーション使用が推奨されています。もちろんこの考え方は義務ではないと思いますが最終的に生き延びる虫が出てくればこの運用をせざるを得ません。

さて、ここまでは理解できますが問題はどの農薬を購入すれば良いのか?という点。私のような素人考えでいけば、目的の虫に効きそうな銘柄の違う薬を2つ以上買ってきて交互に撒けば良いのでは?と思うのですが、それもちょっと違うのです。

薬の名前は各農薬メーカーが独自につけているものが多いですから、市場に出回っている薬の中には銘柄は違うが成分は同等というものが存在するわけです。つまり銘柄がちがうからとそれらを続けて使用してしまうと抵抗性を持った虫が生まれてしまう...。

そこでこうした銘柄と成分グループを整理しましょうと国際的な農薬業界の専門委員会であるIRACがRACコードなるものを公開しています。つまり薬剤の銘柄がどのグループに分類されるかを確認し、そのコードと重複しないよう別の薬剤を組み合わせれば良いというわけです。

例えば我が家が先日使用したダントツ水溶剤(殺虫剤)はネオニコチノイド系でIRACコードは4A。上の写真のように商品パッケージにRACコードが表記されている場合もあります。

同じカメムシに効くからと銘柄の違うアドマイヤーを続けて撒いてしまうとそちらもIRACコードは4Aですから虫たちは抵抗性を持ってしまう可能性が高まります。次に撒くなら4A以外を選ぶのが得策というわけです。

ちなみにこうした薬剤に対する抵抗性というのは何も虫だけに限った話ではなく、菌や草にも共通すると言われています。つまり殺菌剤や除草剤も同じものを使い続けると効かなくなる!というわけですね。

殺虫剤同様にこれらの薬剤にもRACコードが公開されておりまして、殺菌剤の場合はFRACコード、除草剤の場合にはHRACコードと呼ばれておりそれぞれのコード表は以下のリンク先に公式文書があります。ただし除草剤に関しては商品名ではなく成分名で検索が必要ですね。

IRACコード:https://www.croplifejapan.org/assets/file/labo/books/leaf22.pdf
FRACコード:https://www.croplifejapan.org/assets/file/labo/books/FRAC_code_20250603.pdf
HRACコード:https://www.croplifejapan.org/assets/file/labo/mechanism/code_shiba_hrac_2025.02.pdf

我が家で今年使う殺虫剤と殺菌剤は以下の通り。RACコードがかぶらないよう慎重に選んだつもり。

ダントツ水溶剤(殺虫剤) 「IRACコード4A:ネオニコチノイド系」
アディオン乳剤(殺虫剤) 「IRACコード3A:ピレスロイド系/ピレトリン系」
アファーム乳剤(殺虫剤)「IRACコード6:アペルメクチン系/ミルペマイシン系」
フェニックス顆粒水和剤 (殺虫剤)「IRACコード28:ジアミド系」
カスケード乳剤(殺虫剤) 「IRACコード15:ペンゾイル尿素系」

サンボルドー銅水和剤(殺菌剤) 「FRACコードM1」
アフェット(殺菌剤) 「FRACコード7」
トップジンM(殺菌剤) 「FRACコード1」
ダコニール(殺菌剤) 「FRACコードM5」

ダイン(展着剤)

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