北海道短期集中観光 2017.9(3)

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いったい何人の囚人達がこんなふうに鉄格子越しの景色を眺めたのでしょうか。話には聞いていましたが日本一厳しく脱獄も困難とされる網走監獄を一度は見ておこうと思い立ち今回の旅のプランの最初に考えた目的地でした。

WEB検索をしているうちは ”網走刑務所” をキーワードに情報収集をしていましたが、正しくは ”網走監獄” のようで、網走刑務所と言ってしまうと現行の本物の刑務所のほうを指すようです。監獄のほうは嘗て刑務所だった建物を博物館として移設し、一般公開しているものです。

 

 

入口にあるレンガ造りの五角形をした門が特徴的。ここから本物を良く観察して作られたマネキン人形が所々に現れるようになります。昼間だからまだ良いですが、夜こんなところに来たらリアルすぎて下手なお化け屋敷よりも怖そうです(夕方閉館です)。

網走監獄と聞いて思い描いていたのは単に監視の厳しい刑務所! しかし説明を聞いたり展示を見たりしているうちにそれだけではなかったという事実がだんだん分かってきました。

刑務所ですから基本的には悪い事をした人がぶち込まれる牢屋。でもただ入るだけでなくそこでは囚人ならではの過酷な労働が待っており、北海道の経済発展を遂げるため中央道路の開削工事、硫黄採取に駆りだされたそうです。

それも驚くほどの短期間で北見峠から網走までの約228キロの道路を作ったのだとか。国は「どうせ悪い事をした奴らなんだから命など惜しくない」とばかりに度が過ぎた強制労働を求め、栄養失調や病気や怪我で200人以上が命を落としたと言います。悪い事をした人達とは言っても、彼らのおかげで今の北海道の流通が発展した事には感謝しなければいけないのかもしれませんね。

 

網走監獄と言ったらこの景色とばかりにダイナミックに撮ってみました。実際は中央見張所を中心に側面から後方に放射状に建つ5つの舎房で成り立っているのですが、平面でそれを表現するのは難しいので今回はそのうちの1つ。長さは第1・3・5舎が58.2m第2・4舎72.7mもあり、全部で220房以上もあるのだそう。

ここ網走監獄は無期懲役や重罪人、脱獄を繰り返す者ばかりを収容する、「日本中の凶悪な犯罪者の吹きだまり」と呼ばれた施設。発足時の囚人の数は1,200人以上というのですから驚きます。逆に、凶悪犯罪者ってそんなにいるの?とも。

 

敷地面積は約東京ドーム3.5個分に相当するらしく、隅々まで説明書きを読みながら進んでいたら恐らく3時間は掛かってしまうんじゃないかと思うくらい展示が豊富です。入口でチケット販売していたおじさん(マネキンではない)に聞いたところ、「普通のペースで90分くらいです」と言われました。そこで写真など撮り始めたらそりゃあっという間なわけで。

もしかするとどこかの説明書きに書かれていたのかもしれませんが、監獄食に出される味噌汁を手錠や鉄格子に毎日掛けて少しずつ錆を発生させ脱獄を試みた有名な話もここ網走ですよね?

脱獄と簡単に言いますが各部屋を見る限り、どう考えても人間業では突破できそうにない造りになっていますし、監視の目をすり抜けることも極めて困難だと感じました。また、見つかった場合のリスクを考えると大人しくしていたほうが...と我々なら考えるところ、それでも外へ...と行動に移す理由はやはり過酷な労働があったのでしょうね。ほとんど人間扱いされなかったようですから。それにここは日本最北端に位置する監獄ならではのマイナス30℃の冬が待っていますから囚人達にとってはそれが一番辛かったのかもしれません。

念願の...と言ったら語弊がありますが、貴重なものを見た気がしました。

旅先のパソコン環境やらGPSによる行動ログやら想定外のトラブルが発生しており、毎日のブログ内容が当日の行動とリンクしなくなっております。本日掲載の内容は9月16日の出来事です。

下のパノラマ写真はα7RIIで複数枚撮影されたRAWデータをモザイク合成する事により作り出しています。サーバー容量の関係で32Kのオリジナル画像を6K画像にダウンコンバートし掲載しています。クリックすると拡大します。こんな重たい処理をしているのでパソコンが動かなくなるんですよね...。

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