記憶に残る時間

By

祖母が他界したとの連絡があったのは昨夜遅くの事。今夜のお通夜には何も要らないと言われても、それでも最低限の準備をして帰省しました。

棺の窓から覗くお婆ちゃんの顔は記憶のそれよりも少しだけ痩せていましたが、それでも昔より肌艶がよく見えたのは、薄暗いお勝手でいつも裏方としてせっせと働く姿ばかり見ていたからだと思います。思い出というのは不変ではありませんが、時に現実よりも力を持つのかもしれないと、そんな事を考えました。

2時間だけの滞在ですぐさま東京へとんぼ返り。帰りの高速道路ではまさかのガス欠。先を急ぐ私の事をきっとお婆ちゃんが止めてくれたのでしょう。レスキューが到着するまでの長い時間、嘗て経験した事のないような複雑な心境でした。

COMMENTS

コメントはまだありません。

FacebookでシェアTwitterでシェアTumblrでシェアPinterestでシェア