人の意思を少し入れるだけ。それで案外上手くいく

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身近なところでNikon D800を使っている人がいて、最近は高級カメラを一般の人が普通に持ち歩くようになったものだなぁと思っていたら、「ポートレートを撮ると人物の顔じゃなくて背景にピントが合っている事が多いんだよね」とおっしゃっていました。続けて「どうやったら顔にピントが合わせられるのかな?」との質問も...。

逆に私からは「D800で撮れないとしたらどんなカメラなら撮れるんですか?」と返しておきました。冗談が言い合える間柄の人なのでそれが笑いの切り札という事を分かった上での話です。

聞けば絶えずダイナミックAFを使っているとの事。最近の高性能一眼レフカメラは画面内の数十ポイントにも及ぶエリアから ”ここぞ” と思うポイントをカメラが自動的に検出してAFを駆動します。それってつまりは人間の意思に反した場所にフォーカスする事もあるわけで、ピントを合わせるポイントを人がコントロールしていないわけですから、思い通りの仕上がりになるかどうかはカメラのみぞ知る! って事です。私はそういうのが苦手なのでAFを使う時は常にシングルAF(画面センター1点)とフォーカスロックの組み合わせしか使いません。多分ダイナミックAFで上のような馬を撮ると、目ではなく鼻の辺りにピントが合ってしまうカメラが多いと思います。

というような話をお聞かせした後、50mm単焦点を使っているという情報を聞き、IrisはF5.6より絞って、手ブレしてしまうような時は有無を言わさずISO感度を上げてください! と付け加えておきました。せっかくのフルサイズ機ですから絞りを開けて被写界深度の浅い画を撮りたくなりますが、ピンボケになってしまうくらいなら程々の深度で確実に抑えたほうが良い場合もあります。ISO感度を上げてノイジーになるぶんには後処理で何とかなりますが、ピンボケはどうにもなりません。高感度に強いというのもフルサイズのメリットですしね。

COMMENTS

  1. Thunderbirdさん

    CCDのリコールって聞いた事なかったのでちょっと調べてみたら意外とあるものなのですね。
    メーカーとしてはCCDを修理するくらいなら本体交換のほうがよほど安上がりでしょうに...。

    私もいつしかAFばかり使っています。思えばフルマニュアルのFM2を日常的に使っていたのがウソのよう。
    デジタルカメラをマニュアルで使うのとはちょっと感覚も違って今でもあれが好きですけどね。

    ”大切にしまい込んでいた” カメラどんどん使いましょう。パンケーキなら持ち運びも楽でしょうし。

    グロリアとセドリック、なるほどと変に納得してしまいました!

  2. こんにちは。

    私が昔使ってたミノルタのコンパクトデジカメは、
    CCDのリコールがありました。

    長い間知らずに使ってましたが、シマシマになったり真っ青になったり、
    なかなか芸術的な写真が多かったです。

    それはそれで想い出の写真になってます。

    自分の目のオートフォーカス精度が落ちてるので、
    デジカメで撮った写真は何でもキレイに見えます。

    ニコン、それもフルサイズのは見たこともありませんが、
    さぞかしキレイなんでしょうね。

    貴族の人が使うカメラだと思ってます。

    私は貧民寄の庶民なので、お先真っ暗のフォーサーズです。

    大切にしまい込んでましたが、つい最近になって
    25ミリ(50ミリ)のパンケーキレンズを付けて、
    ダイソーのフワフワの袋に入れて持ち歩いてます。

    設定の仕方も忘れてるので、迷ったらフルオートかプログラムを
    多用してます。

    グロリアとセドリックの違いは、西部警察で爆破するのが
    セドリックで、希少価値の高いのがグロリアだと思います。

    いつかはホンダヴェゼルですね。

  3. kuriさん

    確かに人の目はぼけたりしていないように見えますが、どこか一点に集中するという凄さがありますよね。それって耳にも言える事である一つの音だけに耳を傾ける事が出来る...。機械はそうはいかないので撮り方で工夫が求められるのでしょうね。

    ただ道具が進化しすぎた現代は、目的意識が本末転倒になってきている気がしないでもありません。カメラはコレクション性もありますが所謂道具ですので、撮りたい(残したい)ものがあって初めて使い方が問われるもの...。いつしかそれが逆になって、カメラがあるから何か撮ってみようとか○○を撮るならこうセッティングしようとか。それも間違いでは無いと思いますし楽しいのですが、生まれてくるものは少し違ってくるような気がしています。

    画材がなかった時代にポンペイの壁画は描かれた...。私はそういった事に凄く興味があります。道具を作り出してでも描きたかったものって何だろうと...。

    表現って面白いですよね。

  4. 被写界深度、興味深い話題です。以前、写真家のリュウミセキさんがポートレートは絞り込んで撮ると言う事を書物で書いていたのを思い出しました。
    被写体の後ろがボケて見えるのは確かに不自然。肉眼では確かにそう見えませんから。
    それぞれ考え方があると思いますが(笑)

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