記憶より鮮明に

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数年前に月に1、2回のペースで北京に行っていた事を思い出しました。今ほどではないにせよ少なくとも日本より埃っぽい空気と沢山の車の排ガスの影響で、少し離れた景色はいつも靄が掛かっていたのが印象的でした。

数日前に歩いた新宿のこの場所がちょうどそんなふうに見えたのです。一見クリーンな感じがしつつも少し先はホワッっと柔らか。親子があと2、3歩進んで地面にしっかりと影が出るのを待とうと思ったところへ自転車のおじさんがフレームイン。親子の位置と自転車の位置どちらを優先しようか一瞬悩みましたがこの雰囲気には自転車が重要でした。おかげで中国の公園っぽい画になったと思います。

自分の目で見た景色をこうして直ぐに形に残せる。記憶の中の中国の景色はもうだいぶデフォルメされてしまっていますが、写真の力ならその時の印象を数年後にもほぼ変わらない形で残せる。だからこそ奇麗なものを撮る事が、奇麗な写真を目指す事が、人に上手いと言われるような写真を撮る事が、大切なわけではないと思っています。

カメラを持っていればそこに空気の存在さえ意識する...面白いですね。

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