良いと思えるうちに

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モノクロームの写真というのは、今でこそカラーで撮った後にパソコンのモニター上で結果を見ながら色を抜く作業がいとも簡単に出来ますが(実際は色を抜くだけではモノクロフィルムのようなトーンにはならないのですが)、フィルムの場合にはカメラ店でフィルムを購入する時から、世の中をモノクロで見る覚悟が必要でした。

先日、写真好きの知人が「ピューリッツァー賞に出る様な」という表現を使っていて、私などはピューリッツァー賞と聞くと当然のようにモノクロフィルムで撮影された報道タッチのドキュメンタリー写真を思い浮かべるのですが、これからはそんなイメージさえも先入観と思われてしまうのでしょうね。

カメラがデジタルになった事で若者からお年寄りまで多くの人が日常的に写真を撮れるようになったのは嬉しい事、でも逆に捉えれば写真が撮れるから仕事になっていたプロの立場が危ういものになっているのも事実です。

近い将来、モノクロどころか「え、フィルムカメラ使えるの?スゲー」みたいな日が来るんでしょうか。何となくマニュアル車が物珍しく感じられるのに似ている気がします。

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