チラリズムの法則

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「写真の撮り方を教えて欲しい」そんな事を言ってきた女の子が、私の代表的な30点ほどの写真の中から好きなものを選ぶとしたら...という問いにこの画を指さした事を覚えています。

写真って自分で意識するテクニックはあっても、自分らしさ...というのはなかなか気付かないもので、むしろその人らしさは他人が見て初めて作られる印象なんだと思います。だから私らしい写真って人からは「inoさんらしい」と言われる事はあっても自分では未だにそれが何なのか殆ど分かりません。

ただ一つ、自分が意識する見せ方と、人から ”らしい” と言われる共通点があって、それは本当に見せたいものは、全てを入れ込まないようフレーミングする事。人間の想像力はある意味現実よりも力がありますから、モノの一部を見せる事で残りは見た人自身に想像してもらう...。実はこれって心理学としては王道というか、別に写真に限った事ではなく、映像編集なんかでも一緒なんですよね。今見ている画の次はこんなのが来ると思ったでしょ、でも実はそれじゃなくこんな画を繋いだんだよね、みたいな。そこに音がかぶさってきて、時間軸でコントロールするから写真よりも表現の手段が多いと言いますか。写真だけで物事を現すなら組写真なんかはそれに近い表現方法が使えると思っています。

ちょっと話がそれましたね。なので私の写真、気付いている方も多いかも知れませんが、殆どのショットで画面の何処かで被写体が切れています。

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