Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

本当の色は私の記憶の中に

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All Photo by inos

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この週末は長崎を満喫するつもりでしたから、海からも地上からも見える ”あの山のてっぺん” だって当然予定に入れておりました。稲佐山から見る夜景は世界新三大夜景の一つとされているようですし、1,000万ドルと聞けばいったいそれがどれほどのものかこの目で確かめたくなるというものです。

軍艦島から帰ってきて、日焼けで鼻の頭を真っ赤にしたまま江山楼のちゃんぽんを食べに徒歩で移動。その距離電車で一駅分くらいありますから40分くらいはかかったでしょうか。知らない街をカメラ片手に歩ける幸せ...。見るものも出会う人もすべてが新鮮。

川沿いを歩いてふと立ち止まり通り過ぎる船を写真に収めたりするうち、日の光の変化に気づきました。高かった日差しは徐々にあの山の向こうにまわりこもうとしている...。ということは山の向こうには素晴らしい夕日が待っているはず。日没は18時14分、特上ちゃんぽんを味わうのもほどほどに急いでロープウェイ乗り場を目指しました。次の便は18時ジャストとの事、片道5分の運行で頂上到着後も展望台までは数分の歩行距離、到着と同時に日没と相成りました。

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海の向こうに沈んだばかりの太陽はその後この世のものとは思えないような美しいグラデーションを作ってくれました。夜景の前のイントロダクションには勿体ないような視界いっぱいの夕暮れ。メインイベントを待つ誰もが移り変わるその色を何をするでもなく眺めていました。

夕暮れに感動するなんて最近は少なくなりましたが、長崎という地形にはそんな忘れていた気持ちを思い出させてくれる妙な力があるようです。たぶんここにいた誰もが同じような感情を抱いたことでしょう。

ケミストリーみたいですね。 なんて声をかけたら喜んでもらえたかもしれません。

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山の向こうは夕暮れ、山のこっちは1,000万ドルの夜景。こんな贅沢な場所が他にあるでしょうか? 函館山からの夜景も素晴らしいですが、こちらも決して負けてはいませんね。光の数でいえば東京の夜景だって綺麗なのですが、海に反射する光とか山の斜面に均一に広がる住宅の光の美しさとか、明るいところと暗いところのメリハリとか、何よりここが西洋文化の入り口という歴史そのものが、見るものの感情をさらに高ぶらせるのです。

技術的なことは二の次にして、旅の一部としてカメラと歩いた2日間、こんな充実した時間を過ごせたのは本当に久しぶりの事。観光地も美味しい食べ物もほとんど制覇してしまいましたが、また来たいと思う場所。仕事だった今日ですが長崎を離れるのが名残惜しかったです。

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