Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

せっかくなので世界遺産を見ておく

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All Photo by inos

昨日掲載した荒船山、そこへ向かう道中に目にした ”富岡市” という地名。群馬県富岡市と言えばあの ”富岡製糸場” のある場所じゃないですかい?

という事で車中泊をした道の駅から富岡製糸場を検索してみると、そこからほんの数キロ先に存在しておりました。せっかくですから見ていこうかなと!

ただこちらの富岡製糸場、専用駐車場はそこから1kmほど離れた場所にありその距離を往復歩くことになります。その代わり駐車場代は無料ですけどね、もっと近くをお望みの方は個人経営の有料駐車場をどうぞ。

数年前に世界遺産に登録されてからというもの、富岡製糸場はこの私でさえ知るくらいに有名になりましたが、それ以前は果たしてどうだったのかそこんとこちょっと興味ありますね。世界遺産になるくらいですからそれ以前から一目置かれる存在だったのだとは思いますが、若者が進んで見に行く場所でもなかったんじゃないかな?とも。

少なくとも今の富岡製糸場は老若男女問わず多くの観光客がひっきりなしに訪れ、特に観光バスの団体客が多いために敷地内は京都の有名神社のように旗を持ったガイドさんを先頭にカルガモ親子スタイルで集団行動が行われておりました。私のような個人行動の観光客はどっちに進んでいいのか分からず途中まで団体客に埋もれておりました...。あれ、変なテントの中に入っていくなぁと思ったらツアーバスのお客さんの列だったようで...。

この富岡製糸場に使われているオレンジ色のレンガですが、木骨レンガ造りという珍しい組み合わせです。何しろ明治に作られた建造物ですからね、鉄筋なんていう現代的なものは無かった時代のようで、木骨とレンガを組み合わせ、金属の窓枠だけはどこかの国から輸入したんだとか。

そしてレンガの組み方も長辺と短辺を互い違いに並べていくフランス積みと呼ばれる方法が用いられているそう。フランス人指揮のもと作られたからイギリス積みではなくフランス積み。レンガって並べるだけじゃなくていく通りもの積み方があるんですね。確かによく見ると短いレンガと長いレンガが交互に組まれておりました。

と、多分そういう説明を受けている団体さん。

施設の中で数少ない実演を交えた説明が受けられたのがこちらのブリュナエンジン。

富岡製糸場が創業した1872年から約50年間、繭から生糸を作る繰糸機の動力源として使われたもののレプリカらしいです。エンジンというだけあって、ピストンがありクランクがあり...という具合に、これがもっと小さければ学研の付録にでもついてきそうなシンプルな構造。単気筒エンジンの見本のようですね。蒸気で動いているという事ですからどちらかというと機関車のエンジンに近いでしょうか。17馬力くらいとの情報。

しかしここの説明をするおじさん、話も分かりやすいですが説明している本人が一番楽しそうでこちらもなんだかワクワクしました。逆に他の展示施設の説明員の方は何というかお地蔵さんみたいな...。

製糸の座繰り体験コーナーもありました。流石に私は参加しませんでしたが、繭から糸を手作業で巻き取る体験をしてみるというテーマで誰でも参加可能なようです。こんなことを言ったら元も子もないですが、繭も可哀そうな運命ですよね。人間の手によって身ぐるみ剥がされ最後は蛹が丸裸にされてしまうという...。

昔はここ富岡製糸場だけでなく長野の諏訪地方でも同様の製糸工場があったと言われています。「ああ野麦峠」という悲しい映画がありましたね。知りませんか...。

富岡製糸場と言って思い浮かべるのはこの辺りの絵じゃないでしょうか? 当時世界最大規模を誇ったと言われる繰糸所(場)。観光ツアーの団体さんなどがこの入り口で説明を聞くのが基本ガイドとされているのか、多くの人が足を止め建物の外まで行列が出来るほどなのでなかなかこんなふうに建物内を一望するのが難しい場所でした。平日なら容易かもしれませんが。

世界最大規模って当時の日本は凄かったんですね。現代ならAppleの本社が宇宙船!なんて呼ばれるように当時この工場も世界的に有名だったんでしょうか。

昭和40年~55年の間に設置された日産製の自動繰糸器が途方もない数並んでいました。現存する繰糸器は昭和62年3月の操業停止時の状態のまま保存されているそうです。写真に撮ってきたこの区画だけは機械が丸出しで展示されていましたが、その他はDon’t Touchの意味合いなのか埃が被らないようにとの意図か分かりませんが全てビニールが被っていました。

その昔、精密機器の分野でドイツと日本が技術競争をしていたと時計やカメラの分野ではよく語られますが、そうしたジャンルだけでなくこれらの機械を見るだけでも日本の技術の高さを物語っていますし、パソコン画面の中だけで完結しがちな現代のテクノロジーとは対照的に、形ある機械を前にそこに当時の技術者が情熱を注いでいた姿が今でも見えるようで少し感動します。

そしてこれらを使いこなしていた当時の工女の人達もまた想像を絶する労働条件の中、結果を出していたかと思うとそこに歴史を感じずにはいられませんね。

富岡製糸場から専用駐車場まではちょっと変わったシャトルバスが運行していました。8輪必要な理由が全く分かりませんがとにかくタイヤが沢山あるわりに、運転手&ガイド込みで定員10名、つまりお客さんが8人しか乗れないという効率の悪さですが、なんとなく愛嬌のある乗り物。多分電気自動車なんでしょうね。100円/人で1日何度でも乗れるそうです。ガイドさんの説明付きとの事なので格安ですね。

それに対して富岡製糸場の入場料1,000円/人はちょっと高くないですかね? 歴史的に貴重な建造物であることは分かるけれども、正直内部の見どころと言ったら機械がずらっと並ぶ繰糸所くらいですからね。修学旅行で訪れるなら丁度良いですが、一般客として行くならそうした歴史に相当興味のある人でないとリピートは難しいかも...と感じました。

今回は、歴史に無頓着な私がせっかく近所まで行ったので話のネタに見てきた!というご報告でした。

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