Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

今年もここにきた

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All Photo by inos

またここにやってきました。ゴールデンウィークは空気の澄んだ高地で星の写真を撮る!と決めており、候補地としては美ヶ原高原か霧ケ峰高原山頂を考えていたところ、昨日から季節外れの寒波がやってきて天候は荒れ気温は下がり、少しだけ妥協して野辺山というわけです。いえ、野辺山って天体観測には最高の場所なんですけど私個人としてはもう飽きるくらい来ているもので。

ではいったい何を妥協したかというと、ズバリ標高です。美ヶ原高原であれば海抜2,000メートルオーバーですから澄み切った空でかなり安定した撮影が期待できますが、何しろ本日深夜の予想気温がマイナス10℃と言われており、更に風速15メートル以上の予報ですからスキーウェアでも着て行かない限り凍え死んでしまうなと...。一方でここ野辺山は標高1,300メートルで予想気温はマイナス3℃、車を横付けできる撮影ポイントさえ探せばこちらが現実的と判断しました。

天体撮影は深夜からですが良さげな撮影スポットを探すため午後3時くらいには到着するスケジュールで行動に出ました。ゴールデンウィークとはいえなぜか中道自動車道は渋滞知らずでストレスフリー。順調すぎて予定より早く着いたのでちょっぴり観光も。

野辺山といえばこれを見ずに帰るとなんだか不完全燃焼な気持ちになる国立天文台の電波望遠鏡。個人的にはもう何度も来ているので大きさに対する驚きはないのですが初めて見る人はそのスケールにびっくりするみたいですね。上の写真が日本最大の電波望遠鏡で直径が45メートル。足元に車が停まっていますが比較するにはあまりにサイズが違いすぎて参考にならない感じ。

こちらは45メートル電波望遠鏡の一番大事な部分、電波のカメラ ”BEARS (25 BEam Array Receiver System)。観測の目を1点から25点に増やした事で、1点1点観測したものをパッチワークのように繋ぎ合わせる事なく25ポイントが同時にスキャン可能になったらしいです。それは25倍効率的になったとも言えますし、45メートルの電波望遠鏡を25個手に入れたとも言えるとのこと。

ただ今現在は更に新しいFORESTという受信機に世代交代しているのだとか。宇宙の話ってとてもロマンチックでワクワクする内容が多いのですが、いかんせん日常生活からかけ離れていてピンとこないですね。

45メートルの大ボスの手前には ”ミリ波干渉計” と呼ばれる子分達が6台並んでいます。こちらは直径10メートルですが見た目はこちらの方がハンサムな気がします。

小さいからといって侮るなかれ、これらはレールの上を移動する事が出来、それぞれが広がって手を繋げば最大で600メートルもの望遠鏡に化けるというのです。記憶に新しいところでは先日人類が初めてブラックホールの撮影に成功したとニュースになりましたが、あちらは世界8拠点の電波望遠鏡を繋ぎ、人間に例えたら視力300万もの解像度に相当すると話題になりましたね。多分やっていることはこちらも同じで複数のアンテナを同期させ視力60の能力を実現しているそうです。

さて、あまりのんびりしているわけにもいかず、今日はその後明るいうちに撮影に向けたロケハンに出かけました。あっちへ行ったりこっちへ行ったり。本当に天体だけを撮るなら暗い空さえあれば良いんですけどね、星景写真となると地上も映るので周囲の外灯の影響などを考慮した場所選びに慎重になります。

場所が決まればそれからがしばらく暇になるのが私の撮影スタイル。夏になればもっと早く撮り始められるのですが天の川狙いの場合この時期は日付が変わる頃からが狙い目でして。三脚を広げるまでの間は車内でこうしたブログを書いたりカメラの設定など車の中で出来ることを進めます。と、そんなことをしている今21:30の段階で外気温はマイナス4.7℃。あれ、この調子だと明け方には結局マイナス7,8℃になるんじゃ?

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