Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

見る人の力

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All Photo by inos

diary4597

新宿シリーズもそろそろ飽きてきた...と言われてしまいそうですが、性懲りも無くまだ続けます。普段仕事に追われて忙しい時は1日に写真を1枚も撮れないなんて事も多いわけですが、逆に ”今日は撮るぞ” と意気込んで出かけ、都合よく気持ちとシンクロするような被写体が見つかった時には数百枚と撮って帰ってきたりしますから、帰宅後にRAW現像を楽しむのと同時に公開も小出しになってしまうのです。

昔、専門学校で映像や音響について学んでいた頃、理数系の私が唯一面白いと思えた文系と呼べそうな授業が心理学。学校で学ぶ事のうち社会に出て直接役に立つ事なんてほんの一握りだとよく言われますが、私は意外とそうでもないと思っています。具体的に何が?と聞かれると返答に困りますが、例えば私の写真はそのほとんどが被写体全部は見えないようなフレーミングをしています。何処か一部しか見えていないとか、部分的に隠れていて見たい所が見えないとか、マクロで撮りすぎていて周囲の環境が見えないとか...。

これは別にワイドレンズじゃなかったので全体が入りませんでした...とか言う物理的な話ではなくて、歴とした表現手法の一つとして存在するのです。確か授業では、女性の口元と、目と、首筋と...という具合に部分的なパーツだけを見せる事で、そこにさも美しい女性がいる事を想像させるという例で説明されていたと記憶しています。実際は本当に美しいかどうかは全体を見ないとわからない事かも知れませんが、見えない部分は人間の本能で連想させるというのがミソなわけですね。人の想像は断片的な現実を元にとかく美化して膨らむものですから、説明的に全部を見せるより、見た人の想像力を借りたほうがサイズが大きくなる事があるのです。

まあ本当に写真が上手い人は全体だろうが部分的だろうが ”なるほど” と思わされるものですけれど、私の場合は正直センスが足りませんのでそんなふうに見る人のお力を借りているのであります。

diary4598

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