Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

見せる工夫と見せる準備

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All Photo by inos

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真月洋子さんの写真展を見に新宿のepSITEまで。epSITEとはエプソンイメージングギャラリーの事。

先日代官山で開催されたIMAフォトフェスティバル内での告知がきっかけで知る事になったこの展示会。その時渡されたパンフレットが一風変わっていて印象的だったため、丁度ご本人がギャラリートークを行う今日、写真の内容は勿論の事、それ以外の演出に関して ”見る” だけでなく展示に込められた ”想い” までを確認したかったのです。

実際一歩踏み入れてみると、シンプルな壁に規則正しく作品が並べられ当り障り無くライティングが施される一般的な写真展との違いははっきり表れていました。この展示では見せ方の一つとして光をかなり積極的に活用しているのが印象的です。壁に展示されたプリントにはカッターライトでプリントと同サイズの光が当てられ、ギャラリーの環境光を暗く落とす事であたかも部屋の窓から外を眺めているような演出です。平面なのに奥行きを感じるという結果は街の風景をメインとした作品が展示の工夫とマッチしたのだと思います。更には8メートルにも及ぶ蛇腹に綴られたブックをセンターテーブルに配置、正面には壁一面の映像作品を投影する事で見る人に空間や動きを意識させる構成となっています。

お話を聞いてみるとどうやらご本人はもともとデザインを専門で勉強されていたそうで...。納得でございます。

そして展示方法だけでなく作品そのものへの工夫も面白いところがあり、1つの作品を2分割、多いものでは6分割といった具合に、1枚の写真を後から分割することで同じ場面に2つ以上の視点を加えるという試みがされていました。

そういった展示でよくあるのは、同じ場面を少しずつフレーミングを変えて複数枚撮影しておき、展示の際にそれらを組み合わせて1枚の画として見せるというのは見かけるのですが、今回はそうではなく、1枚の写真をあえて後から上下2分割とかにして、少し隙間を開けて展示...。こればっかりは分割の理由を言葉で説明するのが難しいですから是非会場に足を運んでご自身の目で確認して欲しいですね。なるほどという理由があるのです。

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展示を一通り見終わった後は、こちらepSITEのサービスの一つであるプライベートラボについて担当の方に詳しく説明をお聞きしました。

フィルム時代なら暗室に隠って黙々と作業を行うところ、デジタル時代に本気でプリントと向き合うにはこうしたサービスを利用するのが吉ですね。業界で言う所の所謂 ”箱貸し” で、データを持ち込んでフォトレタッチを行いアウトプットするまでの専用スペースというわけです。勿論、時間単価とペーパー代が発生しますが、プロラボの銀塩プリントと比較すればかなりリーズナブル。デジタルは現像からアウトプットまで、仕組みとワークフローを理解していればブラックボックスが一切ありませんから納得いくまで向き合えるメリットがあります。専用プリンターが使えますから最大でロール紙の64インチくらいまでは対応するようです。畳1枚に近い巨大プリントですね。

私もプリントとして残したい写真がいくつかありますからいずれ利用させて頂くつもりで、今日はちょっと本気の質問ばかりしてしまいました。

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