Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

写真に例えたら楽しい人生

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All Photo by inos

diary6263

例えばそこに何が加わったらこの写真が豊かになるか考えてみる。私ならほぼ間違いなく手前に軟らかく落ちた光の中にネコの姿を想像する。三毛猫よりもグレー掛かったトラ目の毛並みがよく似合うと思う。でも現実はなかなか上手くいかない...。この場で10分程待ってみたがネコの姿は確認出来ず、ましてそれを超えるような変化も無かった。ただ水面に反射する光がやけにキラキラして美しかった。

写真と人生は何処か似ているところがあると思う。理想や期待はまずイメージ通りの形にはならないし、残そうと思った時には既に形が変わっていたりする。そのうちチャンスが訪れるとか、今は中途半端でもいつか本気を出せば出来るんじゃないかという妄想も、出来ない自分も含めて常に全力だったんだと気付く時が来る。ネコのいない写真だってこの日の自分のベストなのだ。

ところが、想像というのは過去に経験した実体験の延長にあるという事実。それを超える存在や出来事はもはやイメージする事すら出来ないから、そこに期待したところで必然的に作品のクオリティが上がる事はない。が、突拍子もないものが突然フレームの中に飛び込んできて、それが思わぬ具合に協調することがある。自らの実力や想像とは別の次元でアイデアを超える存在...。トラ目のネコどころか、ピンク色のボールを追いかける女の子が画面の右下からフレームインしてきたくらいの衝撃。主役はおのずと水面のキラキラから女の子へ....。それくらい存在感のある人とお話をさせて頂く機会がありました。

写真歴はそれほど長くないと言うがフィルム撮影にはこだわっているらしい。作品を見せてもらったら、それまで私が教えていた技術や仕組みやノウハウは全く無用のものだったと思い知る。無用どころかそれらの知識が邪魔をして今後の作品作りが凝り固まったものになってしまったらどうしようと心配になったくらいだ。写真だけじゃなく音楽にも興味があり海外の音楽ステージにも立っているようだし、特徴ある絵だって描く...。

私が準備出来る小手先のテクニックでは踏み入る隙などこれっぽっちも無い。そこにあるのは感心と驚きばかり。ただ、人が好きな事に夢中になる姿は輝いていて美しく、それについて語る時間が実に楽しい。何年ぶりだろう? このワクワクは。何年ぶりだろう? 人が楽しそうに話す姿を見ていたいと思ったのは。

人生は楽しんだ人が勝ち組だ。その楽しさを誰かと分かち合えたら最高だ。

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