Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

半分趣味、半分仕事、いや、ほぼ仕事

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今年も恒例のNHK放送技研へ。映像業界は4KだとかHDRだとか話題の新技術まっしぐらですが、基本的にはARIBやらSMPTEやらITUといった規格に ”右に倣え” で進む傾向、ところがNHKさんだけはいつの時代も良い意味で ”我が道を行く” ところがありますから時々勉強しないといけないんですよね。

NHKというと一般的には渋谷にある放送センターを思い浮かべるところ、この技術展示は用賀にある技術研究所です。週末である今日は映像のプロだけでなく子供を含む一般のお客さんが沢山訪れていました。いよいよ8K試験放送が8月から開始されるとあって「Beyond HD」が身近なものになってきましたね。

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今回個人的にこの展示会で収集すべき情報は的が絞られていましたから、それ以外は一般のお客さん同様にピュアな目線で色々見学しました。中でも目を引いたのがこのシート型ディスプレイ。有機ELシートによるディスプレイですから輝度、色域、反応速度、発熱の面で非常に優れているわけですが、それにしてもこのディスプレイの薄さときたらなんと ”2mm” です。裏側に回り込めるようになっていたので覗き込んでみたらコントロール基盤もペラペラで、ディスプレイ裏にテープで貼り付けてある状態。

世の中に流通しているご家庭用テレビの殆どは液晶モデルなわけですが、原理的に動体への追従性が悪く、一昔前と比べれば大分マシにはなったものの有機ELと並べてしまうとその差は歴然。私にとって液晶テレビというのはカメラ性能や編集アプリによる映像補完処理を見分けるのに十分な性能が無く、それを仕事とする以上はリファレンスとなる自宅テレビをおいそれと買い換えるわけにもいかず未だにブラウン管を活用しております。解像度が低くても反応速度の正確さのほうが私にとっては重要なのです。

だからこそ有機ELの流通が非常に気になるわけで...。この際メーカーは問いませんからどんどんご家庭用パネルを作って欲しいんですよね。今のところLGさんの有機ELテレビが市販モデルとして唯一手に入るものですが55インチ以上というサイズが我が家にはいささか大きいわけで...。高いですしね。ちなみに今回NHKさんが展示していたこのシート型ディスプレイもLGさんのパネルを採用していました。

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今日私がここを訪れた一番の目的が8K HDR規格に関する情報収集。高解像度化の波はHDから4Kへ、そして8Kへと移り変わるわけですが、正直高解像度へのシフトというのは規格の面だけで考えればそれほど難しい技術ではありません。ところが色域やガンマと言った映像信号の規格においてはコンテンツ制作過程において考慮しなければならない点が多くあります。

そのうちの一つで2016年現在一番ややこしいと思われるHDR規格。ネット配信や次世代Blue-rayに採用されるガンマカーブPQ(ST2084)の他に、放送系で主流となるHLG(ハイブリッドログガンマ)が存在し、HLGにもイギリスのBBCさんが定義するVariableとNHKさんが定義するSG1.2があったりして、その場でメモを取らなければ翌日には確実に忘れてしまいそうな煩雑っぷり。しかもそれぞれコントラストの定義が異なっていたり、そこにYのみやRGBによる違いもあったりして「誰か教科書を作ってください!」と言いたい気分。まあそれが私の役目だとすれば今日のように規格を作った人達と直接話せる場というのは非常に貴重なわけで...。

さてメモは取りませんでしたが...。

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