Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

日々技術は進歩して

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All Photo by inos

どういうわけか昔から、カメラというと写真用とビデオ(ムービー)用とで二分化されていて、子供の運動会を撮影するお父さんはどちらで撮っていいのか必死になっていた事と思います。デジタルスチルカメラが世の中に流通し始めた頃からムービー機能というのは実装されていて、その気になれば音声も含めた撮影が出来たのですが、これまでは撮影画像サイズがテレビ画面の解像度よりも低(小さい)かったため、仮に撮影してもビデオカメラのそれには及ばなかったという現実がありました。

でもここ最近、カメラ量販店に並ぶデジタルカメラも動画撮影機能が充実してきていて、巨大な一眼レフカメラでなくても、ご家庭で家族写真を撮るコンパクトデジカメでさえフルHD撮影が出来るようになりました。

しかもその性能は一般的にはあまり知られていないかも知れませんが、撮像素子だけ比較すれば、放送用で使用されているプロ用機材を大きく上回る性能を持っています。勿論全てのモデルというわけではありませんが、少なくとも10万円前後で売られているAPS-Cと呼ばれる撮像素子を搭載するカメラであれば、放送用を飛び越えてプロ用機材で最も大きなイメージャーを採用する映画用デジタルカメラ(撮像素子はフィルムのスーパー35mmサイズ)相当ですから、映像業界で働く身としては危機感さえ感じます。ちなみにテレビ等で使用される放送用機材の標準的な素子はその約1/6の面積しかありません。

※ 映画用は写真と同じ35mmという表現をしても、フィルムに対して直角に画像を焼き付けるため、写真用35mmの短辺が横幅となります。

こうして考えてみると、数年前からCanon Eos 5D MkⅡに注目が集まるのは自然な流れだったわけですが、撮像素子だけでなく、内部の画像処理エンジン、信号管理、バッテリーや記録メディアの容量、安定性、各種周辺機器への対応などを考えると、さすがにビデオ(ムービー)専用機にはまだまだ敵わない面も多いのですが、むしろこういった技術進歩の速さは民生用機器に火がつくとあっという間ですから、今後はプロ用機材が民生機を見習うような方向になりそうな予感さえします。

機材が安く手に入るとなれば、比較的時間のある学生などは今後どんどんクリエイティブな作品作りに有利になると思います。編集機が無くても今やパソコン1台で何でも出来てしまいますから、日本もいよいよワンマンオペレーションによるSOHOが広がっていくかも知れません。

表現が適切かは分かりませんが、なんだかプリウスの技術をF1に取り入れていくような違和感が有りますね。

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