Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

トラブルが重なりましたが何とか完成

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By
All Photo by inos

◎撮影地
山梨県精進湖
◎撮影日時
2017年5月1日 1:00~
◎撮影機材
・SONY α7RII
・Nikon AI Nikkor 20mm f/2.8S
・SIGHTRON nano.tracker(ポータブル赤道儀)
◎露出時間
ISO1600 F4
追尾:60秒×4枚(横構図)、90秒×2枚(縦構図)
固定:60秒×1枚(横構図)、120秒×1枚(縦構図)

α7RIIでは初となる天体撮影でしたがようやく後処理のコンポジット作業を終え見られる写真に仕上がりました。今回は富士山を地上に、空に春の天の川をフレーミングしたくてこの場所と時間を選びました。星空は4枚の追尾撮影画像から加算平均合成を行い、地上は1枚の固定撮影画像を使用しています。よってこの写真は5枚のRAW素材から生成しています(縦位置は追尾が2枚なので地上と合わせて3枚のRAW素材より生成)。ですから作業中のフォトショップファイルは1枚で4GB超え...重い!

富士山の高さくらいまでが黄色くなっているのは周囲の光害の影響ですかね。南極とかで撮ったら地平線までバッチリ星空が写せるのかも。RAW現像次第では天の川をもっとえげつないくらい強調出来るのですが、今回は比較的おとなし目で自然な仕上りに留めました。画面の周囲が若干流れているのはAI Nikkor 20mm f/2.8Sの実力です。これでも1段絞ってF4で撮っていますが、F5.6まで絞ればもう少しマシになると思います。その分露光時間が必要になるので今回はこれで妥協。

そう、実は撮影当日はいくつかのトラブルに見舞われ現場で結構慌てました。まず一つ目に ”レンズが曇る” という初歩的なトラブル。一般的には対策としてレンズにホッカイロを巻き付ける!何て言われていますが今回はその準備がなく、しかも過去の天体撮影で私はレンズが曇った経験がない事から結構甘く考えていましたね。結果的に撮影開始後レンズが結露するまで2分と持たず、シャッターを閉じるたびにレンズを拭く!という作業が発生しました。ですから安易に1段絞って画質を優先しようなどと考えてもレンズが曇ってしまう関係で露光時間が延ばせなかったのです。

次に、α7RIIをスマートリモコンアプリでiPhoneからレリーズした場合、必ずノイズリダクション処理が掛かってしまうという動作に悩まされました。一般的にデジタルカメラは数秒以上の長時間露光を行うとセンサーノイズを打ち消す処理が撮影後に実行されます。もし10秒間の露光をしたら、シャッターを閉じた後露光時間と同じ10秒間のダークフレームをカメラが自動で撮影し合成しているのです。それによりノイズ成分が打ち消されクリーンな画に仕上がるというわけです。まあ10秒くらいなら待てない事はないですが、今回の撮影は短くても60秒、長いものは120秒の長時間露光をしていますから、シャッターを閉じてから2分間はカメラが後処理をしており他の作業が出来ません。しかも天体撮影は帰宅後のパソコン処理にて4枚〜8枚のデータをコンポジットしますから撮影自体もその枚数分必要です。つまり1対象を撮るのに(2分露光+2分後処理)×8という計算になり1対象を撮り終えるまでに30分以上を要します。

そうこうしているうちに空には飛行機が点滅しながら横切ってしまったり、車の出入りでヘッドライトの光害を受けたりしますから撮直しを含めると45分くらいは掛かります。星だけを撮るならそれでも問題ないものの、星景写真は地上の景色もフレーミングする関係で、出来るだけ短時間で撮り終えたほうが後処理が楽なのです。撮影中も赤道儀は動いていく星をずっと追いかけていますから、撮り始めから撮り終えるまでに45分も掛かっていたらカメラのアングルが相当変わってしまってしまいますからね。

もしカメラ内処理が掛からなければ単純計算その半分の時間で撮る事が出来ますから普通こうした撮影ではカメラ内処理はOFFに設定すると思います。今回も当然OFFにしていたハズですがどういうわけか毎回処理が実行されてしまい...。確かその時はカメラ内NR機能がグレーアウトしていて選択できなかったような気がするんですよね。帰宅後改めてiPhoneからリモートアプリでBULB撮影してみたところ、今度はなぜか内部処理は走らず...不思議です。まあ次からは意識して設定してみましょう。

また、そのようなトラブルにならない為にも事前に自宅にて動作確認した設定をユーザーメモリーに登録しておき、現場ではそれをロードする事で間違いの無い撮影に臨みたかったのですが、α7RIIのリモートアプリは撮影モードがユーザーメモリーモードでは使えないという事が現場で分かり、急遽Mモードで1からメニューをセットし直したのがトラブルに繋がったと思っています。やはりこういうのは場数ですかね。

撮影後のデータも不思議な現象が起きていまして、それでコンポジット作業に時間がかかったというのもあります。が、それについては長くなるのでまた今度。とにかくα7RIIによる星景写真第一段は何とか完成という事で...。

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