Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

二人の写真家イベントが同じ文化複合空間で開催

By
All Photo by inos

2ヶ月ほど前からチェックしてあったフォトイベントへ足を運ぶ事にしました。こんな事ってあるんだなと思っていた奇跡の同時開催は、SHIBUYA Bunkamuraにてロバートフランクの映画上映と、ソール・ライターの写真展。

ソール・ライターのドキュメント映画「ソール・ライター急がない人生で見つけた13の事」は一年ほど前に渋谷イメージフォーラムにて見ていましたが、今日はその写真展というわけです。200点からなる作品が一同に集められた大規模な回顧展は日本初開催。連休中の平日ながら多くの来場者で賑わいました。賑わっていたと言っても写真展ですからしーんとしていますけど。

ソール・ライターはモノクロからカラーに移り変わる時代を生きてきた方で、写真業界がまだまだモノクロに価値を感じていた頃、誰よりも色彩を大事にしてきた人。「芸術の歴史は色の歴史で、洞窟の壁画にさえ色彩が施されている...」なんて言葉を残してもいます。展示会はモノクロプリント、カラープリント、絵画で構成され、そのどれもが素晴らしいの一言。いえ、私は絵画の事はよく分かりませんし、そもそもソール・ライターが写真以外に絵も描いていた事を知りませんでしたが、素人目に見てもちょっと魅かれる絵に仕上がっていたのです。

そして私は彼の放つ言葉にもまた魅力を感じています。「写真家からの贈り物は、日常で見逃されている美を時折提示する事だ」なんてワードが添えられるだけで作品の一つ一つが意味を持ち始めるような感じがしてくるのは、その言葉に負けないくらい彼の作品には説得力があるのでしょうね。私はかなり好きな写真家さんです。帰りがけ写真集とポストカードを購入しました。

一方、ロバートフランクと聞けばコアな写真ファンであれば必ず足を運ぶのではないかと思うくらい著名な写真家さん。世界で最も有名な写真集とされる ”Americans” はこの私でも持っているくらい。インタビュー嫌いとされる本人を取材したドキュメント映画はアップテンポな音楽をバックにリズミカルに構成されています。あまり内容に触れてしまうとネタバレになってしまいますから避けますが、「良い写真を撮るには?」の問いに「ピンボケしない事」と返された言葉には深い意味を感じましたね。ピンボケさせないのはプロじゃなくても心がけている事、つまりはそれ以外の自由な部分こそが工夫のしどころだと...。

こういう刺激的なイベントを見た後はすぐにでも写真を撮りに行きたくなりますね。ソール・ライター展は6月25日まで、ロバートフランクの映画は5月19日(20日以降は調整)まで公開されているようです。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)