Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

ちょいと広島観光(2)

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All Photo by inos

干潮時にはあの鳥居あたりまで歩いて行けると言われていますがこの日はあいにく満潮。地上に作られた鳥居なら何処でも見られるからして海の中の鳥居にこそ価値がある...なんて考え方をすればそれもラッキーというもの。

ここのところ雨男の私ですが、懸念された雨もポツポツきた程度で本降りにならなかったのは幸い。

宮島といえばこの鳥居を正面から構えてどーんと写真に撮るのが定番であり皆がその景色を想像して訪れているのですからピンポイントでこの立ち位置に行列ができるのは自然な法則。でも私はそういう写真は撮りません。だって私が見ていたのはそんなふうに観光客が集まった暑い日の宮島なのですから、集まった人達の想いまでも一緒に残しておきたいと思うのです。

 

ここへ行く途中、フェリーに乗る前から真夏のような暑さにやられ水やアイスをたらふく含んでいた私。いくら汗をかいたからと言って出るものは出る! お土産屋さんあたりを歩いていてふと気づきました。これだけ沢山の観光客が訪れる場所なのにトイレがほとんどない!

途中で一か所見かけましたが衛生的にちょっと...。という事でいよいよピンチが訪れようとしたとき、助けられたのが厳島神社内にひっそりと構えていたトイレだったのでした。ここは専用の建物があったりするわけではなく神社の建物内にそのままトイレがあるんですね。私以外に利用している人を見かけませんでしたが、昇殿初穂料を払う際入口の人に聞いたところそこを案内されたので一般の人が利用可能な場所です。神社の中でトイレを借りるってちょっと罰当たりな感じもしましたが。

神社の周囲には、鹿がいて、鳥がいて、外国人観光客がいて...。

厳島神社に五重塔がある事を私は訪れる直前の下調べで初めて知りました。100人中99人が鳥居のほうに意識がいくと思うので、ここの五重塔について存在以外を語れる人は少ないんじゃないかと思います。他の神社と違って五重塔は丘の上に建ち、本殿からは少し見上げる高さに位置するのが特徴ですね。

そういった理由でかなり広い範囲から見ることができるのですが、私的は本殿の屋根の間からひょっこり顔を出すこの角度が美しいと思いましたね。遥か遠くから眺める事を忘れていたのでもしかすると緑の上のほうに屋根だけが小さく見える五重塔というのも清水寺みたいで良かったかもしれません。

 

宮島へ到着して厳島神社もほどほどに見れたところで、次に目指したのは宮島ロープウェイ。事前調査によれば山の頂上である弥山(みせん)という場所まで2つのロープウェイを乗り継いでいくのだそう。

ロープウェイ乗り場までは厳島神社から歩いて行ける距離との事で、ところどころに見かける案内標識を見ながら歩き始めました。そこへのルートが一つではないという理由もあってか進むにつれ人はまばらに。明らかにロープウェイを目指しているよね? という人は後ろ姿でなんとなくわかる...。

しばらく進んでみましたがなかなかそれらしき乗り場が見えてこないので近所のお土産屋さんで「あとどれくらい歩きますか?」と声を掛けてみると「ロープウェイはしばらく運休ですよ」なんて予想だにしない回答をもらうことに!

確かに目の前の立て看板に結構わかりやすく書いてあるじゃありませんか!「 定期点検整備のため7月7日まで休みます」と。なんという事でしょう? この日の目的は厳島神社を訪れる事とそのロープウェイで山頂まで行き島からの景色を満喫することだったのに!

するとすかさず次なる言葉が飛んできました。「歩いてなら行けますよ!」と。いやぁ冗談にしてはきついです。平地をただ歩いているだけでこの日の気温では汗だくなのに、ロープウェイで行くような場所まで歩きで登山とは。涼しければ考えましたが、今回は問答無用でキャンセルに。

真直ぐフェリー乗り場へ向かうのも勿体ないので周囲を散歩しながら景色を楽しんでいたところ、年季を感じる木造住宅から実にカラフルな花が満開に咲いておりました。なんだかこの瞬間に少し気持ちが救われた気がしましたね。ああ花って奇麗だなって思いました。なんでしょうこの嫌味な感じが全くしないのに主張した見せ方は。

 

日本人はお土産屋さんに夢中でしたが、外国人観光客の人達はここいら周辺の景色をゆっくり楽しんでいました。私達、いえ私だけかもしれませんが、最近は奇麗な景色とか考え深い光景を目の前にしたとき、写真を撮る以外に景色に足を止める事って少なくなったと思いませんか? 外国の人達はそこをちゃんと楽しんでいる感じがしたんですよね。

そして集中してこの神社と向き合える季節はいつだろう...と考えると、やはり秋なんでしょうかね。紅葉を背景に朱色の本殿と海の中の鳥居。間違いないでしょうね。

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