Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

写真は事実と記憶を紐付ける簡単な手段

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All Photo by inos

 

「写真を撮るのが好きです」という人の多くは「カメラを持って出かけシャッターを切る事が好きです」という趣旨で語る場合が殆どだと思います。勿論それでだけでバシッとカッコイイ写真を撮れる人は感性の元に生きているのだと思いますが、少なくとも私は画作りが上手いほうではないので自分なりに常々試行錯誤の繰り返しです。

例えば上の写真のようなシチュエーションで、俯瞰気味にファインダーを覗いた場合、自分がそこにどんな偶然を望むのかを頭の中で重ね合わせます。私はこの単調なガラス張りのフロアーに人の動きをシルエットで表現するのが面白いだろうと考え、その偶然を待って3回シャッターを切っています。1回目は露出確認用、2回目と3回目がこの2枚というわけ。

商品撮影と違いこうしたスナップ的な見せ方というのは説明的になりすぎてしまうと面白くないので、どちらかと言うと最初の写真の方が面白いような気がしています。ストーリーの半分は見た人に想像してもらうくらいのほうが写真としての存在感が出ますね。

状況は刻々と変化していくので、そのまま待ち続けていれば真っ赤なバッグを持った白いワンピースの女性が歩いてくるんじゃないかとか、犬の散歩の老人がフレームインするんじゃないかとか、可能性は無限大なわけですが、大事なのは自分が最初に想像したシーンに近い状況を収めるという事。カメラを向けようと思ったからには何か自分なりに感じるものがあったからで、そこから大きく逸脱しなければ後になってその写真を振り返った時、写っているものからその時の記憶が連鎖するはずだから...。

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