Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

人は泣きながら生まれてくる。だから笑えるまで生きるんだ

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All Photo by inos

以前どこかで聞いた情報によれば、地球上で人の命を奪っている殺人生物は、1位が蚊、2位が人間、3位が蛇、だとされていて、驚く事に人が人の命を奪う事が自殺にせよ他殺にせよ2位なのだそうです。今日はかなり過激で重くグロテスクな内容になりますので苦手な方はお読みにならないようお願いします。

少し前の事ですが、私が住むマンションの最寄駅で人身事故がありました...。

買い物に出かけようと片道2分の道のりを歩いていったところ、駅前のロータリーに何やら赤い消防車やらパトカーやら救急車やら多くの緊急車両が勢ぞろい、いつまでも開くことのない遮断機と踏切の真ん中で止まったままの急行電車、次々集まってくる沢山の野次馬、その場のただならぬ空気から状況はすぐに把握出来ました。

電車が止まっているその先で数名の隊員が見慣れない格好で何やら作業をしている...そういう光景というのはニュースやドラマでも見ますし、何となく想像もつきます。でも私の数メートル先には人の髪の毛がカツラのように塊のままごっそり落ちていますし、周囲にはスーパーで量り売りされている鶏肉のようなものがいくつも放射状に散乱しており、「事故」よりも「人の最後」を強く意識したのを覚えています。

後になって知ったことですが、WEBニュースによれば若い女性がホームから線路に降り、電車の前でしゃがみ込む姿を運転士は目撃していたそうです。

私の目にはその事故現場から「わぁ気持ち悪い」とか「うわぁ見られない」とかそういう感情は湧きませんでした。まして「電車が遅れて大変だ」とか「どれだけの人に迷惑がかかるのか?」とも。沢山の人に迷惑がかかるのも勿論大変ですが、この場ではそんな無残な姿になる事を知っていて自ら命を絶とうと行動に出た本人の心理を深く考えさせられました。

迫りくる電車の前にしゃがみ込みその時を待つ恐怖は計り知れません。しかしそれを手段として選んだという事は、それをも超える恐怖や辛さ、耐えかねる苦痛が日々の生活にあったという事になります。命を絶つ事の恐怖すら想像がつかないのに、それを上回る辛い人生などこの世に存在するのか、仮にそうだとするならそれ程までの状況を周囲は気づいてあげられないものなのか、規制線の中にいた私は現場の前で言葉を失ったまましばらく考えていました。

思うに、その女性にとって多くが辛い思い出ばかりだったのかもしれない。もし神様が本当にいるならそういう人にこそ幸せな後世を与えてあげて欲しい...。理由は何にせよ生きている時間も辛く死ぬのも辛かったら辛い人生でしかなかったことになります...。

だから人は死を覚悟する前に自分が富を感じるまで生き続けなければいけない。そう思います。

ピースの又吉さんは以前こんな事を言っています。「バッドエンドはない、僕たちは途中だ」

今日が人生最後の日だったら何をするのか、自分に残された時間を意識したその時から人は変われるはずだと、命と引き換えにその女性が教えてくれた気がしました。

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