愛用しているSUUNTOのスポーツウォッチAmbit2。ろくにスポーツなんぞしない私がデカくてごついこの時計を大事に使っているのは内臓GPSによる行動ログ収集が目的。
いえストーカーじゃありませんよ、自分の行動を記録しておき各地で撮影した写真と紐づける事でその写真がどこで撮られたものか記録しておくという用途。今時スマホカメラであればごく普通の機能なんですけどね、一眼カメラにはGPSを内臓している機種は殆どありませんから位置情報を残したければこうした工夫が必要なのです。
さてそんなSUUNTO Ambit2ですが先日メーカーからのダイレクトメールで「今後はMoveslinkが使えなくなるから同様のサービスを受けたければ新しいSuuntoLinkなるアプリに乗り換えてね」といった趣旨の連絡を受けていました。
そう、こうしたスポーツウォッチは時計単体でGPSログこそ取れるもののそのままでは大した役割を果たしておらず、そのデータをメーカーのオンラインサービスにアップロードする事で本来のフル機能を使えるという仕組み。オンラインサービスにデータをアップロードする手段としてこれまでMoveslinkという専用アプリを使っていたのでした。そのアプリが新しくなりましたよ!と。そういう事です。
アップロードしたデータはスマホのアプリからも閲覧できますしウェブブラウザからアクセスすれば各種ファイル形式でもダウンロードも可能でしたから、各行動ログを “gpx“ というファイル形式で取得しAdobe Lightroomにインポートすることで写真ファイルに位置情報を埋め込んでいました。この “gpx” というのがGPSの位置情報データをやり取りする上では一番汎用性が高く重要なファイル形式。
新し物好きの私ですから早速アップデートしてみました。これまで使ってきたMoveslinkを捨てSuuntolinkに。そして時計本体とパソコンを専用ケーブルで接続し同期開始。問題なくGPSログはオンラインにアップロードされやれやれといったところ。
じゃあそのログをウェブブラウザから見てみよう!と、ここで問題が発覚しました。このアップデート後はブラウザから閲覧するサービスは無くなり全てスマホアプリによる一元管理へと仕組みが変わっていました。そう、アップロードを行うアプリだけでなくサービスそのものが変わっていたのです。
まあ100歩譲ってスマホから閲覧するのは良しとして、肝腎要の “gpx“ データを出力する術も消滅してしまっており、これは困った!というわけです。gpxが出力できないのであればもう私がこのデカくてごつい時計を愛用する理由は無くなりますからね。
色々調べてみた結果、スマホ用専用アプリであるSUUNTO APPから “fit” 形式での出力が出来ることはわかりました。であればあとは何とかしてfit形式からgpx形式へとフォーマット変換すれば良いという事に。
海外のサイトにGPSBabelなるツールを見つけました。無償のツールですから当然ノーサポートではありますが、大体こういうのは触っていれば使い方は分かる!そういうものです。
アプリを起動するとINPUTとOUTPUTのファイル形式の指定があるのでINPUTに「Flexible and Interroperable DataTransfer(FIT)Activity File」を選択、OUTPUTは「GPX XML」を選択し変換をかけるとあっさりgpxファイルが出力されました。
次に重要となるのはその位置情報に記録時の時刻情報が正しく残されているか?という点で、これが入っていなかったりずれてしまっていると写真ファイルに埋め込まれている時間情報との間で連携が取れず紐付けができなくなってしまいます。今回は手っ取り早くAdobe Lightroomにインポートして検証してみました。結果は見事に連携が取れました。
ということで、Moveslink廃止後のSuuntolinkでも何とかgpxを取り出し写真ファイルと紐付けを行うワークフローは成立することが分かりましたが、とはいえ時計で記録したGPSの位置情報をオンラインにアップロードするため一旦パソコンに接続し、アップロード後はスマホでfitファイルを取得し再びパソコンに戻ってgpxファイルに変換するという “理解不能“ な工程を踏まなければなりません。
スポーツウォッチをこんなマニアックな使い方をする人は少ないのでしょうが、もう少し何とかなりませんかねぇSUUNTOさん。