Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

このカメラと共に

By
All Photo by inos

FUJIFILMが満を持して発売したFine Pix X100は巷でも評判のようで生産が追いつかない状況と少し前にニュースになっていました。

あのクラシカルなデザインは近年の電子デバイスと化したデジタルカメラに物足りなさを感じていた写真ファンに分かりやすい注目ポイントとなったのだと思いますが、実際に撮影されたサンプル写真などを見ると、過去に例が無いほどの高感度撮影の強さに驚きます。ISO1600や3200が常用感度として使えるだけでなく、ISO6400なんて非現実的な高感度でさえフルサイズイメージャーを搭載した高価な一眼レフ並の低ノイズを実現しています。

更にF2という十分ハイスピードを謳える大口径レンズと相まって、夜のスナップ撮影さえ手持ちで行えそうです。しかもこのレンズはマクロ域で10cmという近距離撮影が可能だというのですから、何処をとってもSIGMA DPシリーズの弱い部分をとことん追求したようなカメラ。ただ、その大口径がマイナスとなる部分もあって、球面収差が激しく10cmのマクロ撮影時に絞り開放付近で撮った画を見ると皆ソフトフォーカス掛かったようにコントラストとシャープネスが落ちています。メーカーもこれに関してはカタログ上で認めていてF4以上に絞って使う事を進めています。マクロ専用レンズではありませんからRICOH GXR用50mmのような奇麗なボケを望んではいけないですね。私の本音はこのカメラにSIGMAの新しいFoveonセンサーを入れて欲しいのですが、それは政治的に今後も敵わぬ夢ですね。

x100の生産工場を宮城県に持つFUJIFILMにおいても今回の巨大地震の影響を受け完全に生産が止まってしまっていると聞いています。未だに電気や石油が行き届かない地域がある中、それでも頑張って生きて行こうと笑顔を見せる現地の方々を見ていると私も日々心を打たれるばかりです。

いつの日かこのカメラが再生産のラインに載って、世界中に待つカメラファンの手元に届き始めたら、それは被災地の方々が確かに前に進み始めたという嬉しい便りなのかもしれません。今は私達に出来る目の前の小さな事に全力で取り組もうと思います。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)