Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

これが現代の写真加工の標準なのか?

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All Photo by inos

Photoshopにニューラルフィルターなるものが搭載されたのはもう2年ほど前のことでしょうか。その存在は知りつつもこれまで使うことはなく今日に至りますが、先日YouTubeでAdobe製品を詳しく紹介しているチャンネルの方が紹介していたので、私もお試しで触ってみることにしました。

こうした目新しい機能って普段自分のワークフローではなくても良いものなのでこうしたきっかけがないとなかなか触らないものなんですよね。

ニューラルフィルターは一言で言ってしまうと、”実在しないものを作り出せるAIフィルター” といったところでしょうか。例えば人の顔のシワをとって美肌に見せたり、パンフォーカスで全体にピントの合っている写真の背景だけぼかしたりするのもPhotoshopの中ではニューラルフィルターの中で実現します。

もちろんそんなフィルターワークをしなくてもテクニックさえあればPhotohopの基本機能だけでも出来てしまうんですけどね、それを言ってしまうと今日のお話はおしまいですので、あえてニューラルフィルターだけで ”こんなことが出来る” をご紹介。

さてこちらの新緑が美しい自然豊かな湖畔の写真。山梨県の五光牧場キャンプ場での1コマですが、実際に撮影しているのは今年の5月。標高1,300メートルで気温はかなり低いですから木々はまだほとんど芽吹いていないはずなのに、見た目は新緑ど真ん中! そう、これは本日1枚目の写真をベースにニューラルフィルターによって作られたもの。

この写真だけ見て実はこの新緑がフィルターワークで作り出されたものだと気づく人はいるでしょうか? 大変精度良く春が表現できていると思います。

続いてこちら。もうお分かりだと思いますが、この写真も本日1枚目に掲載したものからニューラルフィルターによって作られた秋の紅葉。「今年の五光牧場は秋の紅葉が綺麗でね」なんて会話をしながらこの写真を見せたら、きっと誰も疑うことなく現地で撮られた写真だと信じると思います。

もう説明するまでもなくこちらは冬の積雪をシミュレートした写真。もちろん1枚目の写真から自動で作られた雪景色です。

日陰にブルーが被る感じとか、細い枝に雪が残る感じなど偽物を疑う余地すらない精度。恐ろしい時代になりました。これらは全てニューラルフィルターをボタン一発で適用し、適用量をスライダーで動かしただけ。

「真実を写す」と書いて「写真」なのに、もはや写真の存在価値そのものが疑われる時代という事です。近年では就職活動をする履歴書の写真さえ加工するのが珍しくないと聞きます。

合板や樹脂ではなく天然木をそのまま使った家具が「天然無垢材使用」と書いて高値で売られているのと同じように、この先写真業界は「無加工RAWデータ」なんてラベル付きのものに価値が生まれることになるのでしょうか?

※ 今日のネタはPhotoshopのニューラルフィルターの凄さをお伝えするものであり、これを多用するレタッチ作業を推奨するものではありません。

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