Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

105mmという使いやすい焦点距離のレンズが世の中に少ない

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All Photo by inos

自宅でテーブルフォトのような物撮りをしたり、屋外でも公園の片隅で自転車を撮影するような場合によく使うレンズが105mmという焦点距離。中望遠レンズですから背景をぼかして被写体だけをキリッと際立たせる使い方はもちろん、商品撮影のような物撮りではパースペクティブが程よく、遠近感が強調されないことでモノを歪ませずに撮れるという点で最高に使いやすいです。

というか逆にこれよりも短い焦点距離で物撮りをすると、モノを見せるための写真ではなくモノが置かれた環境を撮った写真になりがちですね。

85mmレンズなども時々は使うのですが、背景をボカそうとイタズラに絞りを開けてしまうと被写界深度が浅くなりすぎて撮影対象のごく一部にしかピントが合っていない写真になりがちです。やはり物撮りは被写体から十分離れたところから望遠で狙うのがセオリーかと思います。

ちなみに車の撮影をするような場合は、駐車した車から30メートルくらい離れた場所から100mm〜200mmレンズで狙います。自分の影がボディに反射するくらいの距離からではまず思うような写真は撮れません。

そんなわけで、屋内でも屋外でも物撮りには105mmを多用する私ですが、実際に使っているレンズは何かというと、もうかれこれ30年近く前に購入したNIkon AI Nikkor 105mm F2.5S。

設計の古いオートフォーカスにも未対応のフルマニュアルレンズですが、それをNikon FマウントからLeica Mマウントへ変換するアダプターを介し、TECARTのLM-EA7 AFアダプターと連結。Sony α7RⅡのEマウントに装着しAF動作させています。変換アダプター+AFアダプターの二重変換ですから少々重量は増すものの十分実用に耐えますし、それでも今時のレンズと比べたら遥かに小型です。

ただこのレンズ最大の欠点は光学設計の古さからくる色収差の発生。

上の写真の自転車のフレームの拡大画像を見ると分かる通り、コントラストの高い被写体のエッジのあちこちにアンバー系の色収差が派手に出ています。シアン系の収差も多少は出るものの目立つのはアンバーの方ですね。

F5.6やF8まで絞り込めばほぼ問題になりませんが、開放付近は盛大に発生しますね。

それでも背景を十分ぼかして撮りたい時は色収差の発生を覚悟で絞りを開けて撮影し、後処理のRAW現像時に色収差のアンバーを消す処理を行なっています。こちらの写真を見れば分かる通り収差補正を行なったものはアンバー系の色が無くなりスッキリした画になっています。

後処理で消せるならそれで良いじゃないか!といえばそうなのですが、時にはこの収差補正によって本来消えて欲しくない場所の色まで消えてしまうことがあり、例えばそれが画の中で象徴的な部分だったりする時は、意図せず消えてしまった箇所を後から復活させるような処理を行なっています。

撮影時に色収差が出る → 色収差補正を行う → 意図しない場所の色が影響を受ける → 影響を受けた色を復活させる

なんだか前に進んでいるんだか後ろに下がっているんだか分からないようなフローですね。一番の理想は撮影時に色収差が出ないレンズを使うことですが、Sonyをはじめカメラやレンズメーカー各社は105mmという焦点距離にあまり積極的ではないようで、ラインナップそのものが少なくコレというレンズが販売されていないんですよね。唯一SIGMAからは105mmF2.8MACROがリリースされていますが、いささか筐体が大きすぎて...。

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