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1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

PhotoshopでRAWデータをネイティブで使う

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All Photo by inos

デジタル一眼レフは勿論ですが、近頃のコンパクトデジカメでも少し高級なものになるとJPEGだけでなくRAWデータで記録出来る機種も増えてきました。今日はそんなRAWデータの有効的な使い方。以前のエントリーでは1枚のRAWデータを2つの現像ソフトで現像しそれぞれの良いとこ取り合成の方法を書きましたが、今日はAdobe Camera RAWとPhotoshopを使用したRAWファイルネイティブでの合成方法を書いてみたいと思います。

上の画像は、空と地面を半々でフレーミングしたRAWデータを、Adobe Camera RAW(現像ソフト)を用いて、空が適性露出となるよう現像したものと、地面が適性露出となるよう現像したものです。当然暗いところに合わせたものは明るいところが飛んでしまい、明るいところに合わせたものは暗いところが潰れます。こういう場合、一般的にはそれぞれの中間の値で無難な結果に収まるよう調整しますが、せっかくRAWデータで記録されているのですから、画像データになる前の広いダイナミックレンジを活かさない手はありません。

手段としては2つの画像の適性露出部分を合成すればそれぞれの良いとこ取りが出来るわけですが、ここで重要になるのは合成した時に2つの画が上手く馴染むかどうかですね。あまり極端に調整した画像同士はどうしても馴染みが悪いですし、かといってRAW現像ソフトは一般的に合成機能を持っていませんから2つの画の馴染み具合を確認しながら現像が出来ません。手っ取り早くそれを解決するにはRAW現像ソフトである程度作り込んだ画を一旦画像化(TIFF等)にしてPhotohsopで合成、最終的に明るさや色味の馴染み具合の微調整はPhotoshopで行います。でもそれだとせっかくRAWで撮っているのに合成作業以降は単なる画像データでの調整になってしまいますから画質的に不利です。

そこで私は予てからPhotoshopのレイヤーにRAWデータを直接置けるようにならないかと願っていたのですが、少し考えれば方法はありますね。それはPhotoshopのレイヤーにスマートオブジェクトとして置けば良いわけです。スマートオブジェクトを使うメリットとしては、Photoshop内で合成したりフィルターを使った場合にも、現像具合が気に入らなければスマートオブジェクトのアイコンをクリックするだけでいつでもAdobe Camera RAWが開き、現像パラメーターの修正が出来る点です。画像にせずRAWデータをネイティブで扱っているためフレキシブルに対応可能です。例えばモノクロ現像してしまったけれど合成具合を見てからカラーに戻す事も出来るわけです。

操作方法としては、Adobe Camera RAWで現像した時点で、ただ「画像を開く」ボタンをクリックするのではなく「Shift」を押しながら「画像を開く」ボタンをクリックする事でPhotoshopにはスマートオブジェクトとして送られます。

現像パラメーターを変えて同じ作業を2回繰り返えせばPhotoshopには2つのスマートオブジェクトが送られますから、後はレイヤーを重ねて合成するだけです。合成は時と場合によりますが、合成モードだけで期待する結果が得られる場合と、レイヤーマスクを使用してきっちりキーで抜く方法とがあると思います。私はケースバイケースで2つの方法を組み合わせます。

RAWデータの現像はJPEGやTIFFなどの画像データを扱うより、遥かに調整幅が広く同じ調整をするならS/N悪化への影響にも有利です。ただいかんせん現像ソフトにはマスクを書く機能が無いのが普通ですから、部分的に調整の度合いを変えたいような場合は今回のスマートオブジェクトを用いたPhotoshopでの調整が有効ですね。

 

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