Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

ボケ防止に考える事

By
All Photo by inos

学生時代、寮生活を供にした写真好きな1つ上の先輩とこんな話をした覚えがあります。「写真っていうのはレンズに撮らされてはダメなんだよ。」

それでいてその先輩が手にしていたのが35〜105mmのズームレンズと400mmの望遠レンズだったりして、まるで説得力が無かったのですが、確かにそこで言っている意味は十分的を得た内容で、標準レンズ1本で何かを形にしようと考えるとその難しさを実感するものです。

例えば広角や望遠レンズというのは、ファインダーを覗いただけで人の目とは別次元の世界が広がりますから、それだけで圧倒的迫力の画が撮れた気がしてしまいますが、実際のところそれは ”人の目で何かを切り取った” と言うよりも ”レンズで作られた世界に人が魅せられている” と言ったほうが近い気がします。正に ”レンズに撮らされている” と言えそうです。

でも標準レンズではそうはいきません。ファインダーを覗いたところで、迫力のパースがつくわけでも、遠くの画を引き寄せて距離感を圧縮したような画作りができるわけでもありませんから、レンズの力でデコレーションが出来ないだけに見栄えの良い仕上がりにはなりません。

ここ数年は、被写界深度を浅くとったボケの効いた画が注目されている気がします。写真の世界では昔から、ポートレートを撮るなら85mm F1.4だとか、50mmならNoctilux 0.95 は別次元だとか言われてきましたが、勿論写真で何かを表現するにはボケというのは平面の中に奥行きを感じさせるための重要な要素ではありますが、今は、ボケ足が大きい(良くボケる)程良いレンズみたいなところが強調され過ぎて、ちょっと行き過ぎた印象を受けます。

ボケで何かを表現するというのも考えてみればレンズの力を借りての事です。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)