Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

サイクルモードへ電車で行った (2)

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昨日行ったサイクルモードで気になった自転車、TIGが手がけるチタンフレームの参考出品車両。

今後のリリースも未定だそうで実際に発売されるかさえ分からないですが、チタンフレームと聞くとついつい反応してしまい、パッと見たところこの会社のチタン加工の技術に驚いたわけです。ただでさえ加工がしにくいと言われるチタン素材を溶接で繋ぎ合わせてフレームを構成しているわけですが、アレックスモールトンを髣髴とさせるトラス構造をチタンでやってのけた上に、その溶接箇所の仕上げの美しいこと!。きっと溶接後に磨きで仕上げているのでしょうけど、それにしてはヘアライン仕上げのように見えますから不思議です。車重はおよそ9kgとの事で、それって多段化していくつかのパーツを身にまとった私のトレンクルとほぼ同じ重さということです。

  

フレームは一体成型ではなく3分割で構成されていてそれらが精密機器のように組み上げられているわけですが、もうどこをどう見ても丁寧さが光っています。ブレーキワイヤーの受けや、ショックのマウント部分など、注意深く観察するほど、機械好きにはたまらない独特のフェロモンが出ているのです。リアのエラストマーはBD-1のものを流用していると言いますから世の中にオプションパーツは沢山ありそうです。

もろもろ詳細を尋ねてみたところ、販売するとしたらフレームのみでコンポーネントは自分で組む事が前提だそうです。展示車両はほぼCapreoで構成されていましたがDuraaceで組むことも可能でしょうし105などでもOkなんでしょう。フロントフォークも別売りですから規格の合うものを自分で組み合わせます。ホイールサイズは20インチですね。

これを見てしまってからは他の自転車が目に映らなくなりました...。参考までに価格を聞いたところフレームのみで50万円程度になるだろうとの事...。トレンクルの33万円が安く思えてきます。

  

洗練されたデザインのエアポンプが並んでいるなぁと思ったら、やはりLEZYNEでした。これら全てCNC加工により作られているだけに美しいのは当然ですが、デザインセンスはやはり機械ではなく人間によるものですからメーカー毎に特徴が良く出ていると思います。私のように、道具にも工芸品のような価値を求めるサイクリストも増えてきましたから、LEZYNEは近年人気上昇中ですね。

  

さて、数年前までのイベントでは今ほど注目されていなかったサイクルコンピューターも、会場では大いに人気を集めていました。それもGPSを利用したナビとロガー機能を兼ね備えたモデルが急速に伸びてきていて、今や携帯電話売り場の如く様々な機種が並んでいます。GPSを内蔵するタイプとしてはGARMIN、Pioneer、YUPITELあたりがメインとなり、スマートフォン用アプリとしてNAVITIMEなども大きなブースを構えていました。スマートフォン利用ならではの機能として、走行軌跡などのログ情報は常にオンライン上に保存される仕組みがあるそうです。

今後こうしたスマートフォン等の利用は増えていくと思いますが、やはり課題としてはバッテリーの大量消費ですね。GPSとLCDの両方が常時ONとなるわけですからせいぜい2時間程度しか使えないでしょう。となれば別途バッテリーを準備して電源供給を行いながらの運用が前提となりますから、今後はハンドルバー内臓型バッテリーなんてのが出てくると面白いと思います。

  

最後にGARMINブースで見つけた怪しげなペダル。何も単なるペダルならターンテーブルの上でスポットライトを浴びる事も無いでしょうが、このVECTORと名づけられたペダルには驚くべき機能が隠されていました。なんとシャフト内にパワーセンサーが内蔵されており、両足のパワーを計測しサイクルコンピューターにワイヤレスで送信するというもの。自転車もついにここまで来たかという感じですね。自動車のタイヤの空気圧をワイヤレスで管理するシステムが出てきた時も驚きましたが、今回もびっくりしました。私が愛用しているGARMIN Edge800ならこのペダルとの通信に対応しているようですから、面白半分で付けてみたい気もしますが、トレンクル走行時のパワーを測ってもねぇ...。それに、ペダルだけで1499ドルって。

なんだかこうして会場内を見ていたら、自転車に乗りたいのか、自分好みの自転車を作りたいのか、目的意識がぼやけてきましたね。丁度パソコンを自作で組み立てるようなもので、インターネットとメールしかしないのに、気付いたらやたら色々なパーツとソフトで構成されているみたいな事になりそうです。

でも自転車ブームのおかげで、自転車メーカー以外の会社も積極的に面白い物を開発してきている感じは十分伝わってきて、今後の展開が楽しみです。

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