Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

フィルムを理解してデジタルを扱う

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All Photo by inos

仕事に突入する前に出来た5分程度の空き時間を利用して書店に入ったら、いつに無くCAMERA magazineが面白そうだったので立ち読みせずに購入してみました。5分では読み切れない魅力溢れる内容はフィルムの特性曲線について。

今更フィルムの特性など勉強したってもうすぐ無くなるんでしょ? なんて突っ込まれてしまいそうですが、写真好きは勿論ですが、映像業界全般が今でもフィルムの画には憧れを持っていて、TV-CMだってその多くがビデオで撮られるようになったのに画のトーンはなるべくフィルムっぽく仕上げていますし、映画など説明するまでもないですね。

イメージセンサーが受光した光をデータとして記録するデジタルカメラは、受けた光の強さに比例するように信号化され、再生時はそのままに出力しますから、いたってリニアな特性です。勿論、厳密には各カメラメーカーが画像処理で多少の色付けを行ったり、意図的にカーブを付けたりする場合がありますから、必ずしも一直線な結果にはなりませんが、対するフィルムはこの特性にもっと癖があるわけですね。

横軸に入力、縦軸に出力を割り当てたカーブで言うと、一般的には典型的なS字のラインになる事は写真好きな方や映像のプロであれば良く知るところです。ただ、そのS字具合が実際のフィルムだとどれくらいなのか?は、あまり気にしていないのではないでしょうか? デジタルの画像をフィルムっぽいトーンに仕上げるなら画面で見てそれっぽくなればOK...みたいな。

実はこのカーブをフィルムを扱う上では ”特性曲線” と呼んでいて、KODAKのWEBサイト等からデータとしてダウンロード可能です。一般的なPDFデータのみですから、ガンマカーブとして関連アプリケーションにインポートするような汎用性はありませんが、目で見ているだけでもフィルムの特性が分かりますね。デジタルデータのトーンカーブ等をいじる際に、TRI-Xならこれくらい、T-MAXならこんな感じといった具合にイメージしやすいかと思います。また、増感現像したらコントラストが高くなるとか、ハイライトが飛ぶよりもシャドーが潰れやすいとか、見様見まねで結果重視でカラーコレクションを行うよりずっと繊細な追い込みが出来るようになると思います。

Adobe Aftereffects用のサードパーティープラグインにはこの曲線をシミュレートしたエフェクトなどもあって、EKの○○番フィルムのシミュレートとかFUJIの○○番とか、面白いのですが、Photoshop等に関してはどうなんでしょうね?そんなのがあっても不思議ではありませんが。

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