Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

記憶の中の春

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All Photo by inos

東京では今年の桜がそろそろ終わりを迎えようとしています。どんな花でも散る時は少しだけ儚さを感じるものですが、桜だけはその後に水々しい緑が重なってきますから、終わりの中にも次へ続く希望のようなものを見つけられそうな気になります。一年で一番カメラが向けられる被写体がこの桜でしょうから、日本人にとってその存在は偉大なものですね。

そんな桜の写真、昔はやみくもに枝や花びらのクローズアップを撮ったりしたものですが、近年はどちらかというとそれを取り巻く環境や、人々、その年見続けた風景を一緒に入れ込むような撮り方が増えました。理由は簡単で、後になってそれを見直した時、いったいそれが何年前の桜なのか、何処で見た桜なのか、そんな事を一緒に残したいと考えての事です。それもモノクロで。

カメラの性能やパソコンモニターの環境次第で色が濃くなったり薄くなったり、黄色っぽく見えたり青白く見えたり、硬く見えたり柔らかく見えたり、うっかりすればそんな ”誤差” のような違いより、ソメイヨシノの淡いピンクは繊細です。

記憶の中に咲く桜の色は、どんな写真より美しい...。そう、その時見た桜以外の色が思い出せたなら。

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