Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

トップだからと喜んでいられない

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All Photo by inos

一部のカメラ関連の掲示板では、日本の技術は世界トップをキープできるか?みたいなことで盛り上がっているようです。面白い論議である反面、そもそもそんな話を消費者同士で交わしている時代に驚きも感じます。

確かに現時点で日本のカメラは世界のトップシェアと言えると思います。日産に行ったら皆が日産の車に乗っているように、ドイツに行ったら皆がライカを使っているなんて光景が見れたら面白い気もしますが、日本のカメラが世界各国で最も使われているという事実を今は誇りに思います。

一方で最近はコンパクトデジカメがスマートフォンに飲み込まれる勢いですし、一眼レフカメラはミラーレス一眼と呼ばれるカテゴリーの出現で必要性が危ぶまれてきています。更に、スチルカメラの動画撮影機能が実用的になったことでムービーカメラの存在価値も微妙になりつつあります。

レンズはともかく、カメラ本体に目をやれば、ミラーレスになった時点で精密機器から電子機器に変化してきていて、大雑把に見れば ”家電製品” と呼べなくもなく、だとすれば勢いのある韓国や中国のメーカーが似たようなものを作るだろうという話。

レンズはともかくと書いたのは、レンズ自体は設計する必要もなく、レンズマウントを大手メーカーの規格に合わせて作っておけば、世の中にある高性能なレンズを味方に出来るわけです。

勿論そういった製品が世の中に激安で出てくる頃には日本メーカーは更に高性能な製品を開発するでしょうけれど、ことデジタルカメラに限って言えば、現時点で多くの人が満足できるレベルのカメラが出来上がってしまっています。それがプロの業界であれば常に上を目指すべきですが、一般家庭で使われるデジタルカメラにそこまで高性能なものは求められていないということ。つまり、既存のカメラ性能で満足できるのならコストパフォーマンス面で海外メーカーに分があります。

私は以前、コンテンツ制作現場において、やる気さえあれば学生でもプロに立ち向かっていける良い時代だと書いたことがありました。昔ならプロと素人の間には使える機材の圧倒的差がありましたが、今は機材の価格が下がったためにその差は殆ど無くなったのです。ですからマンネリ化したプロより柔軟な発想を持つ学生の方が面白い作品を作ることだってあります。

しかしその差は今やコンテンツ制作者だけの話ではなくなってきているのですね。大企業と中小企業の差も無くなってきているということ。そしてその事実を消費者も十分わかってきているということ。さて。

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