Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

写真集を買う意味

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All Photo by inos

心に響く写真展を見た時は決まって写真集を購入します。中には書店で普通に購入出来るものもありますが、本物を見ずに写真集だけ手に取るよりもエピソードが添えられた展示作品を見た後に購入するほうが写真展を丸ごと持ち帰るようで好きです。会場でじっくり見られなかったディテールを振り返る意味でも購入には意味があると思っています。

ただ、展示作品と写真集とでは決定的な違いがありその一つは作品の大きさ。数メートルもあるプリントだからこそ見える対象というのがあって、それが写真集サイズになってしまうと没入感が薄れてしまい客観的な目線でしか作品に入り込めないのは否めません。

もう一つは展示の構成。縦構図と横構図を組み合わせるとか並べ方を工夫する事で意味を持たせる展示方法。ある作品を中心に右と左で意味を分けるとか、会場の照明を工夫する事で立体感を出すとか。

いずれも会場の壁一面をキャンバスのように使える写真展は空間デザインの要素を巧みに取り入れる事が出来ますが、写真集にしてしまうと見開き1ページの窮屈な中で限られた工夫しか出来ません。その代わりページの割り振りを工夫する事である意味時間軸をコントロールするような見せ方は得意ですから、例えば最初や最後のページでドーンと印象的な作品を見せる事で見る者にストーリー性を伝えるような事が出来るかも知れません。また、良くも悪くも全てのページをイコールコンディションで見てもらえるわけですから、統一感を持たせた作品を並べるような見せ方は逆に写真集が得意とするところだと思います。

さてそんな写真集、気付くとどんどん溜まっていくわけですが、問題はそれをいつ見るか?という事です。大きな展示会などに行って刺激を受けた後は昔の写真集を引っ張り出してきて見返したりもしますが、普段は写真集を見ている時間があったらカメラを持って出かけたいわけで...。

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