Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

だからSIGMAは歩いていける

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All Photo by inos

何の前触れもなくSIGMAさんからサプライズな発表がありましたね。いくつかの新レンズの登場は大方の予想がされていましたがこちらのカメラは噂のカケラもなく! 今日は写真業界、映像業界はお祭り騒ぎだったんじゃないでしょうか。SNSでは私の周りの多くの映像関係者がこのネタをシェアしておりました。

何が驚きって、これは世界最小のフルサイズミラーレスカメラで、スチルカメラでもありシネマカメラでもある、SIGMAさんなのにFoveonではなくベイヤーセンサー、動画は24pをCinema DNG RAW記録、メカシャッターを持たず電子シャッターのみ、1回のシャッターで3枚の露出違いが同時撮影可能(HDR)、Cinemaモード撮影時はARRI AREXA、Sony VENICE、RED MONSTRO等のファインダーモードに対応、その他書ききれないほどの特徴を引っさげての登場。

スチルカメラとして見たらFoveonセンサーを初搭載したコンパクトカメラ ”DP1再来” くらいの衝撃、Cinemaカメラとして見たら近年元気の良いBlackmagicやDJIをもっと品良くまとめてきた感じでクリエイターの感性に直接響く存在感。発売時期と価格は未定との事ですが間違いなく今年1番の注目カメラでしょうね。私自身もデジタルカメラ史上1番欲しいと思ったカメラかもしれません!

スペック的な事だけ言ったらα7シリーズに敵わない点も多々あります。例えば像面位相差AFじゃないとか、ボディ内手ぶれ補正が無い(電子手ぶれ補正はあり)だとか。だけれどそこには割り切る部分と目指す部分がはっきりコンセプトに現れていて、ポケットに入れて持ち歩ける事を最優先、小さくても高画質、Foveonでは成し得なかった暗いシーンでも撮れる、レンズ交換式、拡張すれば巨大カメラに大変身、スチルとムービーのすみ分けはしない、他のメーカーと違うことをする。

最後の ”他のメーカーと違うことをする” それは昔からSIGMAさんのポリシーですよね。どんぐりの背比べをするのではなくユーザーが期待するようなものを形にしたいという姿勢。全てはそこに集約されている気がします。それゆえSIGMAさんの作るカメラはこれまでいくつものモデルが “挑戦しすぎるが故、登場するが受け入れられず” という歴史を繰り返し、市場をひっくり返すような結果には繋がってきませんでした。

”一般受け” と ”マニア受け” をビジネス目線で考えたら誰もが一般受けを選ぶ。でも写真とか映像とかクリエイティブな世界において ”人と違う発想” というのは何よりも貴重な存在。そこで使われる道具を作るなら時に一般受けしないような物こそ価値を生む場合だってあるでしょう。

そのボディ表面のどこにも ”SIGMA” の社名が刻まれていない点からもSIGMAさんの本気を感じます。プロの現場でカメラのペンタ部にデカデカと光る社名がいかに撮影にマイナスであるかをSIGMAさんはよく知っているのだと思います。ユーザー目線で見た時、道具に主張は要らないのです。ボディに大きなロゴをつけない代わりにSIGMAさんはこのカメラの3D設計データをWEBにて公開する事を公言しています。あらゆる3rdパーティーと協力しユーザーに “組み合わせる喜びと拡張性” を提供するためでしょう。

時代は少しずつ進みカメラは一般的に持ち歩かれるようになりました。相対的に人と違ったものを求める声も増えたと考えればこのカメラの成功はもう見えている気がします。

下の動画を見ればこのカメラの可能性が感じられるかと思います。(あれ、知り合いが出演してるけど聞いてなかったぞ)

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