Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

新作迫る、そう信じております

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All Photo by inos

RICOH GXRをお借りした時に撮影した1コマ。50mm(35mm換算)F2.5マクロレンズで最短撮影距離7cm MFで撮っていますが、さすがにマクロレンズの極端に深度の浅いソフトなボケは綺麗です。

今となっては各カメラメーカーがコンパクトデジカメに1cmマクロを当たり前のように搭載していますが、私の記憶ではその極端な近接撮影はRICOHが最初に採用していたように思います。で、世間的には ”マクロ” のお話をすると多くの方の反応は、そんなの○○(メーカー名)だって出来るよ...と返ってきますが、そこが日本独特のノリとでも言いましょうか、”1cmマクロ” の1cmという数字だけが一人歩きしてしまっていて、それがどのような効果を生むかは二の次になっているような気がします。

例えば今回の写真は最短撮影距離7cmですから、RICOHも含め多くのメーカーが採用する1cmに比べれば随分遠いところから撮っている印象ですが、実は1cmマクロを謳うレンズで同じ構図を狙ってもこういう画は撮れないのです。一口にマクロと言っても、そこにはワイドマクロとテレマクロのように、レンズの焦点距離に応じた最短撮影距離が関係していて、1cmマクロを謳うレンズの多くはズームレンズであればワイド側で撮影する事を前提としており、テレ側にズームすると途端に15cm離れてください...という仕様です。被写体を大きく写そうとズームしてしまうとその分距離を離さなければならないジレンマがあります。

ですからマクロレンズのポイントは何センチまで寄れるかではなく、最大撮像倍率のほうだと私は考えています。最大撮像倍率とは被写体がフィルムやイメージャーに実際はどのくらいの大きさで写るか...を示す値で、仮にこれが0.5や1/2と表記されていれば、実物の半分のサイズ(1cmの被写体がイメージャー上では5mm)で撮像されるという意味です。等倍であれば実物と同じ大きさです。あとはそれをワイド側で使って背景を広く入れ込むか、テレ側で狭くするかの判断になりますから ”寄るためにワイドにする” という多くのレンズの在り方は制作サイドからすると自由度が低いです。

コンパクトデジカメの中ではRIOCHのGXシリーズがテレマクロ(最短撮影距離4cm)を数年前に実現させており、未だに他にはあまり例が無く、今回のGXRではこの50mmレンズで標準マクロを実現させましたが、このレンズの最大撮像倍率は0.5ですから一眼レフ用マクロレンズ並みの接写能力ですね。

そしてそのテレとワイドの使用頻度を考えた時、私の写真ライフを振り返ると、マクロを使うような状況は被写体の特定箇所を象徴的に見せたい事が多く、背景をなるべく狭くして画面内をシンプルにまとめたいため、ここのブログに掲載している写真も含めテレマクロを使いたいケースのほうが多いです。

そんな理由から、私が普段使っているSIGMA DP1にはマクロ撮影の限界を感じていて、もともとが28mm(35mm換算)の単焦点レンズですから、クローズアップレンズを使用して被写体に近づいたところでワイドはワイド、背景を狭くする事は出来ません。そこにこのGXRが発売されましたから私の心はグラグラしていたのですが、やはりFoveonセンサーの魅力とは方向性が違うため ”めずらしく” 踏みとどまり、SIGMAの次なる新作に期待しているところです。店頭からは既にDP2が姿を消していると聞きますし、恐らく3月に開催されるCP+で ”DP2S” のようなものが発表されるのではないかと思われます。

DP2ならクローズアップレンズとの組み合わせで40mm(35mm換算)の標準マクロが狙えます。

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