Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

見た目をとるか、実用性をとるか

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All Photo by inos

Sony RX1には純正オプションとして光学(高額)ビューファインダーと電子ビューファインダーの2つが用意されています。

どちらも ”覗いて撮る” ためのツールですが、性格と見た目は大きく違っていて、光学ファインダーはスナップ撮影のような用途でざっくりしたフレーミングで良いが即写性に優れるもの、電子ビューファインダーはルックスこそいまいちですが視野率100%なうえ撮影情報等も含めて確認出来る実用本位のもの。

見栄えの良さは光学ファインダーに敵うものはありませんが、想像以上にパララックスが大きいです。パララックスとは本体レンズとファインダーとの視点の違いによって、ファインダーで見た範囲と実際に撮影される範囲に生じる差の事で、原理的に近距離の被写体を狙うほど大きな差として現れます。RX1の場合は本体レンズの真上にファインダーが位置しますから、パララックスによって、ファインダー内ブライトフレームの上の方に影響が出ます。早い話が実際に見た範囲に対し上の方が切れた画が出来上がります。

パララックスで一番困るのはフォーカスを外してしまう事。オートフォーカスのフォーカスエリアをセンター固定にしておいて、光学ファインダーを覗きながらセンター位置でフォーカスロックしたつもりでも、実際はパララックスの影響で想定より下位置に合焦してしまい、場合によってはピンボケ写真になってしまうのです。実はこのケース結構頻繁に発生します。フルサイズセンサーで深度の浅いRX1では覿面なのです。

考えてみればフィルム時代の一眼レフやレンジファインダー以外のカメラは皆この方式だったはず(ファインダー内蔵でも本体レンズとファインダー間に距離はあった)なのですが、それほど深刻に考えた事はありませんでした。もっとも、その手のカメラはRX1のように明るいレンズが付いていませんでしたから深度に対してそこまでシビアではなかった事もありますが...。

一方、電子ビューファインダーはその点、本体イメージセンサーの画をそのまま電気的に見ますからそういった不都合は皆無です。ある意味一眼レフと同じですよね。ミラーで反射させているか電気的に見るかの違いだけですから。だからミラーレス一眼なんて言葉が流行っているわけです。

ただその利便性を差し引いても、RX1にオプションの電子ファインダーは付けたくない...。なんとも絶望的と思えるほどルックスがいけてないのです。見た目は光学ファインダーだけれども中身は電子ファインダー...そんなのが汎用で出てくればヒットすると思いますね。そのためにはアクセサリーシューに内蔵される電子接点が規格化される必要がありますが、そろそろそういう時代じゃないでしょうか?

写真はSony RX1にフォクトレンダーのミニビューファインダーを付けたところです。このファインダーは28mmと35mmの2つのブライトフレームがありますからどちらにも使えるわけですが、RX1と組み合わせた場合は28mm枠で丁度良いですね。RX1の35mmは他の35mmよりも若干広い傾向にあるのと、ファインダー枠というのは一般的に90%位の視野率で作られているためにこうした結果になるのだと思います。純正のZeiss製光学ファインダーもカッコイイですが、RX1には少し大きすぎると思うんですよね。そのぶん明るいとは思いますけれど。

それからRX1は電子レリーズではなくケーブルレリーズに対応しています。マニュアルカメラに馴染んでいる私としてはこういうところにピクリと反応します。まさかNikon FM2で使っていたケーブルレリーズが最新のカメラでも使えるなんて...。ただ、光学ファインダーとケーブルレリーズ、これらを組み合わせて使うシーンはどう考えてもありえませんね。

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