Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

若かれし頃を思い出す...

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iPad用の面白アプリが続々と登場している中、私がおっ!と思ってしまったのは Faber Acoustical社製 ”SpeakerDraft”。

Faber Acoustical社のiPhoneアプリは以前の日記でご紹介したとおり、そのどれもが音響用計測器だったり信号発生器だったりしましたが、今回のiPad用はスピーカー設計用アプリです。正確にはスピーカーユニットに適合するエンクロージャー設計用シミュレーターで、Boxの容積に対するバスレフポートの内径と長さを入力する事により、低域のレスポンスを対数グラフ上に表示するというもの。

私が高校生の時、N88 Basicでこれとまったく同じプログラムを組んでいたのですが、何でもお金を出せば買えるこの時代にこうした地味なアプリをコツコツと組んでいる人がいるという事が嬉しいですし、その懐かしさも伴ってこのアプリつい買ってみたくなっています...。しかしiPadの購入予定なし...。

音の世界は映像と違って目に見えない分それをビジュアライズすることが難しいのですが、ボイスコイルや振動板の質量、エッジの堅さ(スティフネス)などスピーカーユニット自身が持つ物理特性と、そのユニットを収めるエンクロージャーの容積、バスレフポートの寸法などを電気的な等価回路に置き換えて、その等価回路を構成するコイル、コンデンサ、抵抗値から共振周波数を計算し、各周波数毎の電流/電圧値を対数グラフ上にプロットすればこうしたシミュレーターが出来上がります。言葉で説明するのもややこしいですが、実際はプログラムを組む事よりも、密閉型、バスレフ型、デュアルバスレフ型、バックロードホーン型など、等価回路が複雑になるほど電気特性の計算式を考えるほうが難しいです。そういう意味ではこのSpeakerDraftというアプリは密閉型とバスレフ型のオーソドックスな2種類への対応ですからそれほど複雑な事はしていないと思われますが、肝心なスピーカーユニットの物理特性を入力する項目が見当たらないのが気になります...。

実はこの手のソフト、今ではPC用にブラウザ上で計算できるものが結構存在しますし、本気でエンクロージャーの設計をするのにiPadを使う理由もないのですが、iPhoneに比べて格段に画面解像度が高いですからこういう自由な発想が生まれてくるのが面白いですね。

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