台風の影響で雨が降ると数日前から言われていましたからこの週末を東京で過ごすか神戸に残るか相当悩みました。ホテルが連泊できるようなら残ろう．．．そんなふうに運を天に任せた結果、今日は異人館を訪れる事になりました。

異人館に特別な思い入れがあったわけではありませんが、やっぱり観光地として1度は行ってみたいところ。例によって私は歴史的な事に無頓着ですから、係の人の話や説明パネルを読んでも正直良く分からないのですけれどね。こういうのは修学旅行と一緒で、訪れたその時よりも後になって価値を感じるものでしょうからまずは自分の目で見ておく事が大切なのです！

 

 

ホテルを出発して歩き始めた頃は良かったのですが、異人館に到着する頃には路面が濡れるくらいの雨が降ってきて、長崎に続きここでもコンビニで傘を買う事になりました。30分もしないうちにタダの荷物になったのも長崎と同じです．．．。

異人館を見学するにあたりかなり驚いたのは、建物ごとに入館料を取られる事。敷地内には20館ほどの建物があるらしいのですがそのほとんどが有料で500円〜1,000円くらいするのです。全部見たらテーマパーク並の金額になりますね。

そこで、5館とか9館とかをパックにしたお得なセット券も売っていました。それも好きなものを5館なり9館選べるわけではなく、5館の場合はこちらのリストの中から選んでください！ 9館だったらこちらから．．．というように、パックでは選べない建物もあったりします。

そして私が入ったのは一番有名とされる ”うろこの家” のみ。一番有名と言われても私はそれさえ知らないのですから、それ以外の建物に数千円払っても ”犬がお星さま．．．” 状態ですからね。雰囲気が味わえればそれで良し！です。

案の定、室内の展示を見ても「ふ〜ん、ほぉ〜」という程度の反応しか出来ず、その価値までを私は理解できないのですが、現代と違ってそこに置かれた殆どのものが機械で大量生産されたものでは無く一つ一つ手作りだったりしますから、ある意味今よりも贅沢な環境のように感じました。何て言うんでしょう、こういう空間にいるだけで時間を大事に使えそうな気がしてくるような．．．そんな雰囲気。

それからこれは当然といえば当然なのですが、文化の異なる物が混在していないのが凄く気持ちが良いのです。現代ならガラステーブルの上に湯呑み茶わんとか、カーペットの上に布団とか、洋室なのに靴は玄関で脱ぐとか、ウオッシュレットトイレに相田みつをさんの詩が飾られているとか、文化が完全にゴチャマゼになってしまっていますが、この時代はそういった文化の交流が始まった頃ですから、部屋の中に統一感があるのです。IKEAに行って、部屋のデザインの方向性など考えなかったという当たり前の事に気付かされました。

異人館近くにあるスターバックスは完全にこの土地仕様になっています。パッと見ではこれがスターバックスとは気付かないですね。むしろここはスターバックスではなくもっと時代を意識した雰囲気の良いカフェにでもしておいたほうが流行りそうな気がするのですが大きなお世話でしょうか。もしかするとスターバックスの事ですから異人館仕様のタンブラーなどが売っているのかもしれませんね。

少し高台にあるここ異人館からは神戸の街をそれなりに眺められます。これが夜だったら噂の夜景もさぞ奇麗に見えたでしょうね。

さて、今日は時間に十分余裕をもって東京へ帰ることにしました。3時くらいには新神戸駅を出発できるくらいのゆとり。暗くなってからの新幹線はどうも仕事を思い出させますからね、こういうところでしっかりON/OFFの区別を付けるのです！

ところが新幹線口の改札で見事に私のチケットは弾かれまして、よくよく確認すれば有効期限が昨日で切れているとの事。そりゃそうです、昨日の夜の新幹線を指定していましたから当然です。だから今日は指定席ではなく自由席で帰るのです！その言い分を駅員さんにしっかり伝えると、どうやらそういう事では無く、乗車券はともかく特急券は当日のみ有効との事、つまり指定席とか自由席とか関係なく特急券は当日しか使えないらしいです。知りませんでした．．．いったい年間何回新幹線に乗っているか分からないくらいのベテランのつもりだったのに．．．。昨日の時点で素直に便の変更をしていれば良かったのでしょうけど、今回はたまたま変更手続きを忘れておりました。そうなってしまっても自由席ならいつでも乗れると思い込んでいましたが、どうやら日が変わってしまうとそうはいかないようです。

結局特急券を追加で5,000円ほど払う羽目に．．．。心中穏やかでない帰路となりましたが、それも含めて旅の思い出としておきましょうか。