Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

第1回 国際ドローン展(2)

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All Photo by inos

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幕張メッセで開催される ”国際ドローン展” というくらいですから、やはり私の知らない世界の企業までもが一挙集結!と思った到着直後の俯瞰図。この後現実を知る事となるのですが、実はこの展示会は6つ程のカテゴリーのイベントが同じ会場で開催されており、イベントとしてはこの写真の2倍のスペースを使用しているにも関わらず、ドローン展は左奥の人集りが出来ているブロックのみ。ちょっと拍子抜けでした。ホビー関係のメーカーが参加すれば一気に会場を埋め尽くすことになるのでしょうが...。来年に期待です。黙っていても年々倍々ペースで広がるジャンルである事は明らかですからね。

しかしこうして改めて見て見るとドローン展のみ人がごった返しており、その他の展示会は閑散としていますのでレイアウトにもう少し工夫が欲しいですね。ドローンセミナーなんて長蛇の列でしたから。

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ホビーの延長で見ても楽しめるのがPRODRONEさんのブース。皆さんもご存知の通りドローンはその飛行安定性と自由度から空撮用アイテムをきっかけとして世界的に広く知れ渡りました。撮影用機器としては既に完成の域に達しているとは言え、雨天での使用や対象物のオートトラッキング機能など更なる可能性の実用化に向けて、海外ではジェームズ・キャメロン監督によるドローン開発企画コンテストが開かれています。優勝者には50万ドルの賞金が与えられるそうです。

そんな映像制作機器メーカーとして日本でも早い段階から着手していたのがここに掲載するPRODRONEさんですね。私も日頃からお世話になっている映像機器販売で有名なSYSTEM5さんが新規に立ち上げた産業用ドローン専門メーカー。ですからプロ用映像機器との連携はお手の物、ドローンに関する技術提供はRCヘリでも有名なK&Sとタッグを組んでいるから注目されないはずがないですね。プレゼンが始まれば写真のような人集り。

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昨年のInter BEEでも出展していたPRODRONEさん、映像業界ではもはや4K収録は当たり前になりつつありますが、ここではSONY製ハンディカムAX100を搭載していました。小型カメラではありますが1インチセンサー搭載によりS/Nが良く、操作性や設定項目等の面で一眼レフカメラでムービーを撮るよりは遥かに使い勝手が良いため採用されたのだと思います。個人的には新たに発売された空間光学手ブレ補正付き4Kハンディカムの空撮映像を見てみたいですね。イメージセンサーこそ小さいですがジンバルを使用しなくても十分なブレ補正効果がカメラ本体で得られるはずです。

こういう時代ですから安全への配慮に関しても各メーカーが強く訴えていました。主に挙げられるのは、4枚以上のローターを搭載し1基が止っても他のペラがそれを補い不時着出来るというもの。その点、オクトコプターやヘキサコプターがプロの現場で扱われる事が多いわけですが、こちらの機体は基本的には4枚ローターで飛行し、不具合が生じた時だけ真ん中の2枚を使って飛行するセーフティローター搭載モデル。不具合が起きた時は4枚全てを止めて2枚のみで降りてくるとおっしゃっていました。重量増やコントロールの面で多少の疑問は残るものの安全面への配慮をアピールするにはコンセプトモデルながらこうした取り組みを形にしておく事が重要なんでしょうね。

その他、パラシュートを搭載しているモデルもありますし、機体購入と同時に飛行訓練の受講を義務づけていたり、機器の登録制を導入していたり、各社とも現段階で考えられる安全への配慮はある程度形になりつつあるようです。

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映像機器メーカーですから他の空撮会社に先駆けて生配信の提案も行っていました。パッと見はこんなところに何故スクーターが置かれているのか?と思いましたが、どうやらこのスクーターが中継用セットそのものになっていて、荷台のコンテナを空けるとジャジャーンとドローンが出現。有線飛行により上空からの映像を光ファイバーで地上に転送。スクーターから放送局やネット配信を直接行うというプラン。凄い時代になりましたね。空撮中継を行うのにスクーター1台で完結ですって。ピザの配達をするように空撮中継というわけです。

この展示会でよく目にしたのが映像撮影の他に昨日紹介したようなサーモカメラを用いた機器点検、そして上空からの3D測量技術でした。ドローンに搭載したレーザー測量機によって上空から映像と測量値とGPSログを記録。地上に戻ってから3つのデータを3Dモデリングによってバーチャルに再現。必要ならばそれらのデータを用いてブルドーザーなどを自動運転させ計画通りの地形を形成させるという寸法らしいです。ど、どうかブルドーザーが暴走するような事がありませんように...。家でお茶を飲んでいたらいきなり無人のブルドーザーが突っ込んできた!なんて嫌ですよ。まあそういう使い方は海の埋め立てとかそういった規模の時に使われるのだと思います。

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こちらは映像業界でお仕事をしている人にとって今注目のCanon C300 Mk2搭載機ですね。今回はとある映画作品をCanonさんと共同製作したようで、そのプロモーションも兼ねてこちらのカメラでの展示をしたのだとか。これくらいの重さのカメラであればジンバルの微震動を拾うような事は無いと思いますが、基本的に動きながら撮影する事が前提となる空撮においては、グローバルシャッター搭載カメラとのマッチングのほうが良さそうな気はしますけどね。

ちなみにこちらの機体もペイロードは30kgとの事。実際これまでフルで載せた事は無いそうで、こちらのC300 Mk2との組み合わせで10kg程との事。まだまだ余裕ですね。カメラ2台積んで寄りと引きの同時収録も出来そうな...。

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趣味目線で見て面白いのはこうしたコーナー。高級なモーターがゴロゴロ置かれていました。私が使用しているT-Motor 2214もありました。私の場合にはノーマルモーターのほうがかろうじて振動が少なく使いやすいという結果に繋がりましたが、上昇力においてはノーマルよりも力強かったですね。それでいて飛行時間はノーマル同等という。振動だけ何とかなればもう一度挑戦してみたいんですけどね。テストをするにも東京在住では ”県外” まで行かないと出来なくなっちゃいましたので。

海外で流行しているモーターグライダータイプの空撮機。見たところこの機体にはカメラが付いてなさそうでしたが、恐らくFPVベースの機体でしょう。なにぶん説明員不在でしたので詳細不明。海外ではアルプスの上からこうした機体を投げて尾根に沿って飛行させ、所謂バードビュー的な映像を撮るのが流行っています。マルチコプターと違い極端に長距離飛行が可能ですから山の頂上から麓まで!みたいな事まで可能なようです。そんな楽しげな映像はこちら

また250クラスの小型機も展示されていました。マルチコプター用のコントローラーやアンプの殆どが海外製である現状、信頼性の面からも誰もが国産を望むところですが、いよいよこうしたパーツも国内企業が動き始めているようです。250クラスを並べているのは「これくらい小さな機体にも搭載出来ますよ」という事かと。そんな250クラスで皆でやってみたいレース映像はこちらこちら。先ほどの飛行機映像といいこちらのレース映像といい、今の日本では難しいですかね。国内でも安全にドローンを飛行させる為の ”ドローン特区” これから期待したいですね。

話を産業用に戻して...、会場内でもう一つ見かける事が多かったのは農薬散布用の機体です。多くのモデルが5リットルの液体を積めるもので大きいものは10リットルまでいけるとか。しかし話を聞いてみると誰もが思いつきそうなこのドローン活用法には乗り越えなければ行けないハードルもあるのだとか。これまでこのジャンルの農薬散布といえばYAMAHAさんを代表とする巨大RCヘリの独占場でしたから、そこに新参者のドローンが入るとなると「勝手にやってもらっては困る」という事になるのでしょうね。いろいろ難しい問題があるのですね。

さて、明日も大きな事件がなければ続きを多少掲載するかもしれません。

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