Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

カメラの未来

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diary6420

先週いっぱいラスベガスで開催されていた国際放送機器展NAB。各社新製品を立て続けに発表する中でブラックマジックさんからは少しだけ残念なお知らせがありましたね。URSA MINIのグローバルシャッター非搭載。

プロアマ問わずデジタルカメラを使っていて仕上り画像に気になる点を挙げろと言われれば多くの方がローリングシャッター現象を口にするのではないかと思います。動きの速い被写体を撮影した時の画像歪み、通称こんにゃく現象と呼ばれるやつですね。

これはCMOSセンサーの特性上、撮影時はセンサーの上から1ラインずつシーケンシャルにスキャンするため上と下とでは多少の時間差が生じ、結果として動きの速い動体が歪んでしまうという理屈。それを解消するのが全面一括読み出しを採用するグローバルシャッターなわけですが、今のところその機能はSONY製シネマカメラの一部高級機にしか搭載されていません。技術的にも開発費用的にも実現が難しい技術なのだと思います。

まあでもプロ用シネマカメラに留まらずこの技術は2年後くらいにはカメラ業界のトレンドになる事は間違いないでしょうね。その長所と短所について語るなら、シネマカメラを扱うくらいの方々にとっては釈迦に説法だと思いますのでここではあえてスチルカメラの可能性について考えてみると、グローバルシャッターが実現すればいよいよカメラから機械式シャッターが消える日が来るわけですね。フォーカルプレーンシャッターにせよレンズ内シャッターにせよ、とにかく機械式シャッターは不要となり、撮影時にカシャッと音がするカメラは「懐かしいね」なんて呼ばれる日が来るのでしょう。

それから日常的な撮影であればNDフィルターも不要になります。演出上あえてスローシャッターを使うような場合を除けば、電子シャッターなら超高速シャッターが実現しますからNDフィルターによって光学的に減光しなくても良くなります。

また、ストロボの同調もほぼ無限となり全速同調という事になるでしょうね。これまでは機械式シャッターの動作に対しストロボ発光のタイミングを電気的に合わせていたため物理的な限界がありましたが、電子シャッター方式のグローバルシャッターであればストロボの発光とシャッター動作の両方が電子制御ですから、これまでの常識を覆す1/8000秒同調とか1/12000秒同調とか、特に日中シンクロのような撮影に効果的でしょうね。

あとは機械式シャッター動作が無いため撮影時の振動は皆無ですし、記録媒体次第では超高速連射が可能なはずで、となれば限りなく時間差ゼロに近いRAW HDR撮影も実現するはずです。

どのメーカーもそのメリットを理解した上で次なる新機種を検討しているでしょうからまずはフラッグシップ機に近いクラスのカメラから徐々に実現していく事と思います。やはり間違いなく2年後くらいには多くのカメラがサイレントシャッターになっているんでしょうね。

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