デザインフェスタ2016が今日明日東京ビッグサイトで開催されています。数カ月前から楽しみにしていただけに気合いを入れて起きるつもりがイベント自体が11時オープンとあって出足をくじかれながらのゆっくりしたスタート。

場内は3Fと4Fの2フロアーで12,000人のアーティスト、3,400ブースが出展すると事前情報がありました。来場者がごった返している事も考えるととても1日で全部は見切れない感じ。2daysパスが販売されているのも納得といったところ。

ブースの数が多すぎて迷路のように入り組んだ場内をどんどん進み今日一番の目的であるYuni&Nonaさんブースへ。西村典子さんというアーティストの描くおとぎの国のような世界観が私は好きで以前にもこのブログで何度かご紹介していますね。

西村さんのブースは昨年のハンドメイドフェスにも共通してこの人集り。今回はブース幅を2コマに広げていましたがそれでも常にこんな感じでしたね。やはり独特の絵に魅了されるのは私だけではないようです。

作品としてはお馴染の代表作から新作までさまざまでしたが、ハンドメイドフェスの頃と比べると額装やスマホケース等のグッズがかなり充実していたように感じました。勿論、西村さんお得意の3次元的な表現もそこかしこに見て取れて、私は今回始めて気付いたのですがYuni&Nonaのロゴも3次元で出来ていました。実はあれを作るだけでもかなりの労力ですよね。

マスキングテープの原画とされるやたら横長の絵は今回初披露。形状からしてホテルのベッドの頭上の壁に飾られていたらドンピシャです。そしてその下辺りにこれまた始めて見る巨大3次元BOXが展示されていました。作品を激写するのはちょっとルール違反な感じがしたので今となってはタイトルが分からないのですが、夏っぽく爽やかな色使いでこれまでオータムカラー寄りだった西村さんの新たな方向性を感じた気がしました。正直欲しかったです！オフィシャルサイトにも作品を見つけられなかったので新作ですかね。

はい。そしてお土産を購入。以前より欲しいなぁと思いつつもポストカードだけで我慢してきた西村さんの作品。ついに3次元BOXが我が家にやってきました。いくつかある中から選んだのは「飛行船物語」。飛行船自体が街になっていて色んな人の想いを載せて浮かんでいる．．．そんな感じが伝わってきます。

私も西村さんの事をそれほど昔から知っているわけではないのですが、この作品がどこか代表作のような、何かのターニングポイントになった、そんな印象を受けるんですよね。これ以降の作品のほうがより立体感は増しているのですけれど、他の作品にも時々登場する飛行船の原形のようなこの作品が私は好きです。

3次元BOXは写真に撮ってみても実物の印象を超える事は出来ないのですが、少しでもこの緻密な作業の結晶が見ている人にも伝わればと思い帰宅後に撮ってみました。

額装された中に立体的な飛行船。そしてそれが誰の目にも紙を切り抜いて重ねていると分かるところに価値があるのだと思います。始めは1枚の絵。それを何枚も複製し、上に重ねるものほど切り抜く量を増やし、間に下駄を挟んで立体感を出す。理屈はそうですが実際はパッと見では気付かない苦労がありそうです。

だってこの作品は正面から見るよりも少し斜めから見たほうが立体感が増して魅力的。でも普通に紙を切り抜いたら切断面は白くなりますから斜めからの見栄えは悪くなります。ところがこの作品は斜めから見ても断面が白くない．．．。という事は切り抜いた後、紙の断面に暗めの色を塗っているという事です。それが比較的シンプルなこの飛行船の作品でさえこのパーツ数です。気が遠くなります．．．。しかもカッターナイフ等で切り抜いた場合切断部が多少盛り上がるはずですが作品を見る限りは実に奇麗にカットされています。レーザーカッターでも使っているのでしょうか？ 今日その辺の事もご本人にお伺いすれば良かったです。

そう今日は作者ご本人にもお会い出来たので多少 ”何かの” お話をさせて頂きましたが、我ながらなぜか舞い上がっておりましてあまり覚えておらず。頑張って欲しいという気持ちだけはお伝えしたつもりです。

しかし何度見てもこれを手作りしているという事に驚きますね。1つならまだ理解出来るのですが、今となっては作品数も相当なものでしょうし、それぞれの作品を販売数だけ切ったり貼ったりして製作するわけですから尊敬に値します。

そんな手のかかった貴重な作品の一つ、湿気の影響を受けずそれでいて毎日目に入る場所に飾りたいと思います。