Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

BENRO System Goの第一印象

By
All Photo by inos

ニューヨークからアンカレッジを経由して私の元へBENROの三脚が届きました。結局船便ではなく空輸でやってきたので思ったよりも早い到着。以前も書いたような気がしますが、BENROは中国の三脚メーカー、国内では最近輸入代理店が無くなってしまった為今後はネット通販にて入手するのが残された手段。それを私はなぜかアメリカから購入するという不思議なルート。

後になって知ったのですが、日本輸入代理店のワイドトレードさんでは現在アウトレットセールをやっておりまして、量販店などから返却された展示品を格安にて販売中。もう少し早ければ私もそれを安価に入手できたのに...。まあとは言え国内で新品購入するよりeBayで購入するほうが安いですから新品をアウトレット価格で購入できたと思えば良い買い物をしたという事ですか。

今回購入したのはBENROの中でも機能性重視のSystem Goシリーズ Travel Tripodの2型 GC268T。数あるカーボン三脚の中から価格面以外でBENROを選んだ理由は何といってもこの可変式センターポール機能。通常は雲台をエレベーター的に上下させるセンターポールですが、このSystem Goシリーズにはエレベーターを上げきった状態から90度倒して横方向のスライダーとして使う事が出来るアイデアが盛り込まれています。

使い道は様々あり、一つは三脚の最低高よりも更に低いアングルに対応できる点が大きいと思います。通常は三脚の足を開いていくとセンターポールが地面に当たってしまうので実質ポールの長さが最低高という事になりますが、横方向に倒す事で地面ギリギリまでカメラを下げられます。水面ギリギリから川の流れを長時間露光するような人には有難い機能だと思いますね。一般的な三脚でそれをするためには短いセンターポールに取り換えるか三脚に直接雲台を取り付けるような工夫をしますが、このSystem Goならそういった周辺パーツを持ち歩く事なくその場で対応できます。

そして二つ目のメリットが、三脚の足とカメラを遠ざけられる点。私が最大のメリットと感じているのがこれで、具体的にはテーブルフォト等を撮る際に三脚の上にカメラが載っていると照明の関係で足の影が画面内に見切れてしまう事が結構あるのです。他の影なら消したり目立たなくする事は出来るのですが、三脚の影というのは誰が見ても ”三脚” とわかるピラミッド型なのでライティングの自由度が限られる場合には被写体の置き方やカメラ位置が結構限定されてしまいます。

そこでこんなふうにセンターポールが横になってピラミッドとカメラが離せると、カメラ本体の影だけ気をつければ良いのでアングル作りが俄然楽になるのです。

 

機能で言えばそれ以外にも、3本の足のうち1本だけ外してオプションのウッドグリップを取り付ければ杖として使えるとか、外した1本の足とセンターポールを繋ぐと1脚として使えるとか、三脚の付け根に備わる3/8インチねじのアクセサリーポートにフレキシブルロッドを装着すればタブレットや外部モニターを装着してモニタリングが可能だとか、拡張性は素晴らしいです。

素材もセンターポールはアルミ製っぽいですが、他は全てカーボンとマグネシウム製なので2型なのに雲台込みで2kg弱ですから使い勝手もとても良いと思います。ただ、こうして写真に撮っているくらいの距離感で見ればそこそこ立派な三脚に見えますが、実物をまじまじと見てしまうとやはり中国製だなと感じる点も多く、塗装は爪でひっかいたりすると途端に傷跡が残りますし、ボール雲台の締めつけの強さで微妙に位置がずれますし、付属してきた収納ケースは始めから縫い目がずれていてパックリ口が開いており即日修理行きです。品質に関しては値段相応と考えたほうが良いですね。高価な三脚は伊達に高くないんだな...と。

まあそれでも私の運用に照らし合わせてみると所有欲はさておき実用上はなんら支障はなく、むしろこれまで使ってきたSLIK製のアルミ三脚に比べれば強度も高いですし耐荷重も高く安心して使えるモデルである事に間違いありません。少なくとも三脚に関しては日本製より中国製の方がまだ高品質と言われているくらいですからね。

今後星を撮る時も赤道儀と重たいカメラ重たいレンズの組み合わせでもしっかり受け止めてくれる事を期待しています。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)