Simply mini J

1日5分、その日の自分を振り返る時間を作りなさい。
    昔そんな話をお坊さんから聞いた。

CP+でプラスと感じた事 2018(3)

, …
By
All Photo by inos

CP+の最終日にあたる今日、私が再び会場に足を運んだ理由は他でもない内田ユキオさんのプレゼンテーションが予定されていたから。

写真が単なるデジタルデータとして語られるようになってからというもの、世の中は常に定量化されたスペックで物事を語り、都市伝説的な噂や先入観で道具を選び、撮る事より所有する事に注力してしまうようなところがあります。私だってそれは例外ではなく、特にメーカーサイドでお仕事をしているとどうしても技術優先なトークをしてしまいがち。

そんな毎日が1年も続けばもはや自分が歩いている場所がさも真直ぐな道のように思えてきて、丁度高速道路を走っているかのように周囲の景色を眺めるよりも先を急ぐ事ばかり意識するようになっている...。年に1度のこのイベントで内田さんのトークを聞くと、がむしゃらに走っていた本線からサービスエリアに入ったみたいで大事なものを思い出させてもらえるのです。ああ、一生懸命走っていたけど自分はお腹が空いていたんだな...ってな具合に。

例年通り今年も富士フィルムとSIGMAをハシゴでプレゼンテーションしていましたね。面白いのは内田さんが富士フィルムのステージを降壇してSIGMAへ向かえば、今そこに参加していたお客さんも一緒にSIGMAへ向かう。各々考えるところはあると思いますが、多くの方は私のように ”物を見るより内田さんの話を聞く事” に意味を感じているのでしょうね。

 

余った時間で他のブースの展示物も見てみました。欲しい欲しいと思いつついつも量販店のショーウィンドウ越しに眺めているだけのReally Right Stuff製雲台。そこそこの三脚なら昨年中国BENRO製のものを購入したばかりですが、足はともかくセットした雲台がいまいちだった...。造りはしっかりしていて剛性感も十分なのですが締めつけると微妙にボールが動いてしまいセットしたいフレーミングに手こずるのです。やはり安価な中国製ですからボールの真円度が悪いのでしょうね。

RRS製品に触れられる機会はそう多くないのでこの会場でじっくりいじってみました。BH30は私が使うのに最適な小型雲台ですが、ぱっと見たところいきなりCanonの大型カメラEOS1Dががっちり載っている...。何度かボールを緩めたり締め込んだりしてみたところ締めつけによる微動もなくがっちりホールドされます。流石といわざるを得ない精度ですね。

そして横に目をやると、同じBH30にα7+G-Master24-70の組み合わせも。私の運用に一番近いこのセットでもビクともしません。ん〜ほしい!。更に横に目をやると、一回り小さいBH25にCanon EOS 5Dと300mmF2.8の組み合わせ。これにはびっくりしましたね。全部で4kg近くあると思われますが、レンズの台座ではなくカメラをそのままボール雲台に載せて固定していましたから。いつかはRRS...そう心に誓いました。

 

天体グッズも勿論チェックしてきました。Vixen製レンズヒーター360Ⅱはすぐにでも購入しておいて損はなさそうなアイテム。天体撮影は深夜に長時間行われる為、一番の懸念はレンズ結露。撮影場所にもよりますが湖の畔などではレリーズして2分もすればレンズが曇ってきますからね。これまでは保護フィルターを付けておき、シャッターを切る前に必ずレンズを拭いてから...の繰り返しで凌いできました。

しかしこのヒーターがあれば常にレンズを暖めながら撮影出来るので結露とはオサラバ。一般的なマジックテープ止めではなくこれはビロードみたいな素材でソフトに装着出来とても好感が持てます。マグネット接点による取り外しに便利な電源ケーブルというのもポイントですね。ちょっとお高いですが。

フォクトレンダーから110mm F2.5 APO-LANTHARも参考出品されていました。こちらはEマウント用マクロレンズですが、APO-LANTHARの名前が与えられたからには軸上色収差を限りなくゼロに設計された究極のピュアレンズ。前玉付近にあるRGBのストライプ刻印がその証。既に65mmはリリースされていますがその110mm版。

個人的にはこのシリーズの広角レンズが出てくると良いと思うんですよね。勿論マクロという位置づけからすると50mm〜100mm程度が使いやすいと言われますから、前回の65mmといい今回の110mmといいストライクゾーンなのでしょうが、究極にゼロ収差を望まれるのは点光源を撮影する天体にこそアドバンテージがあり、となると望遠系だけでなく20mm程度の広角が欲しくなるのです。事情を説明したらメーカーの方も納得されておりました。今後そちらへの発展があると良いですね。

コメントを残す

*
*
* (公開されません)